豪華キャストでヴィジュアルアートを楽しむための映画
脚本自体は歴史のあるものなのですが、基本的に、舞台で繰り広げられるこういう探偵モノのような話が個人的に苦手なんですよね。 フランソワ・オゾンの作品ということで楽しみにしていたのですが、たしかに劇場を映画に仕立てたような、コンパクトでとてもキッチュな感じの雰囲気が楽しめると思います。なにせ、カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールの共演なので、画面に出てくるゴージャスさったらハンバない、という感じの作品です。と、同時に、これだけのキャストなのに、こうなっちゃうのか・・・という残念さもあります。 しかし、私がいちばんいいと思った役者は、カトリーヌ役のリュディヴィーヌ・サニエですね。演じる力や魅せる力で言えば、私の中ではエマニュエール・ベアールの一人勝ちなところがあると思うのですが、カトリーヌは役がおいしい。そして、コスチューム大賞を差し上げたいと思うほどかわいい。布ですべて覆っているにもかかわらず、胸の形がはっきりとわかってしまうようなドレスもあるのですが、若い女の子の魅力を引き出すフランスならではの洋服文化を感じさせるとてもすばらしい作品がたくさん出てきます。 ストーリーにほとんど興味が持てないままでしたが、作品全体がヴィジュアルアートという感じなので、デザインの勉強にはうってつけだと思います。
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