8人の女たちの感想一覧
映画「8人の女たち」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
お洒落なミステリー映画。
舞台は1950年代のフランス。大邸宅の主人が、何者かに殺される。その時家にいたのは、クリスマスを過ごそうと集まった家族・メイド、総勢8人の女たち。犯人を探そうと、お互いを探り始める8人だが・・・非常にフランス映画らしい作品です。8人の女性がそれぞれ個性的で、ファッションやセットも可愛いので観ていて楽しい。唐突にミュージカルやダンスが始まったり、急にラブシーンになったりと、フランス映画らしい急展開で物語が進んで行きます。犯人を探す、というのがメインでお話が進みますが、ミステリー要素はあまりありません。登場人物の人間関係がかなりドロドロしているのですが、あまり気にせず楽しめる作品です。
フランスのおしゃれさとビターな内容が絶妙
まず目をひくのが、オープニングのキャストロール。普通は人間を撮すけど、ここでは各女優のイメージに合った花をバックにキャストロールが展開されます。花は劇中で登場人物の着ていた服の色がモチーフとなっています。内容は家の主人が殺されて犯人探しをしていくうちに、主人が生前隠していた真実が物語と一緒に見つかっていきます。愛人と本妻の喧嘩など本当は笑えないけどどこかユーモラスで明るい内容に引き込まれていきます。登場人物の中でも一番好きなのは、末っ子役のリュディヴィーヌ・サニエがとてもはつらつとした少女を演じていたのが印象的でした。ともすれば暗くなりそうな内容の映画ですが、彼女の存在が映画に良い変化を与えていました。日本でも舞台でリメイクされたこの作品は、世の全ての女性に見てほしい作品です。
豪華キャストでヴィジュアルアートを楽しむための映画
脚本自体は歴史のあるものなのですが、基本的に、舞台で繰り広げられるこういう探偵モノのような話が個人的に苦手なんですよね。フランソワ・オゾンの作品ということで楽しみにしていたのですが、たしかに劇場を映画に仕立てたような、コンパクトでとてもキッチュな感じの雰囲気が楽しめると思います。なにせ、カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールの共演なので、画面に出てくるゴージャスさったらハンバない、という感じの作品です。と、同時に、これだけのキャストなのに、こうなっちゃうのか・・・という残念さもあります。しかし、私がいちばんいいと思った役者は、カトリーヌ役のリュディヴィーヌ・サニエですね。演じる力や魅せる力で言えば、私の中ではエマニュエール・ベアールの一人勝ちなところがあると思うのですが、カトリーヌは役がおいしい。そして、コスチューム大賞を差し上げたいと思うほどかわいい。布ですべて覆っているにもか...この感想を読む
これを見たら結婚や家庭は欲しくなくなる 一人ぼっちが好きになる映画
フランソワ・オゾン監督はゲイだけ有って、女を描かせると意地悪なほどお見事です。舞台は1950年代のフランス。雪に閉ざされた大邸宅で、主人が何者かに殺された、其処に居る女は8人、これらの女は皆何かしらの殺意が有る。時はクリスマス、彼女たちが歌います、フランスの女優さんは特別なベッピンさんではないけど、癖のある顔で、アメリカ映画とは違うものもってます。言っておきますが決して美人ではないのです。オゾン監督の手はドンと落ち着いた奥様からティーンの娘やメイドのおねーチャンまでクルクルと手玉に取ります。フランス映画が面白くて好きなのは、基本的にフランス映画は金が無いから、えんえんと普通の家庭で普通の生活を見せてくれて、身近なところをちくちくと突付くからなんだろうと思います。カトリックの下地があるところで育ったら良く判るのですが、離婚しない代わりに恋人が居るとか、この類のぐじゃぐじゃな花王愛の劇場みたいな...この感想を読む
面白いですよ!
フランソワ・オゾン監督の映画の中で一番好きな作品です。8人の女たち、本当に個性派ぞろい、豪華、美しいです。豪邸の主が殺されたことを発端に容疑者8人がそれぞれ秘密を暴露しあい、アリバイを証明しあい、陥れようとしたり、もうやりたい放題です。カメラアングルも面白いし、セットも女優もきれいだし、とつぜん歌いだしたりするし、そういう魅せ方や演出も良くて、どんどん引き込まれて最後まで退屈しません。しかし、エマニュエル・ベアールは反則級に美しいですね。ずっと見ていたいくらいです。人が死んでるというのに(しかも殺されている)、しめっぽさがなくそっちのけって感じがますます滑稽で面白さを増している気がします。