青春って若い内だから良いんだよ
主役は誰?
あーっ。イライラするっ。なんだってこんなにくっついたり離れたりするの?シャープペンを貸してくれた青年と再会して恋に落ちるっていう設定は分かるけど、どうなったらあんなにややこしく出来るんでしょう。大体、なぜ掛井保があんなにモテるのかが分からない。長年付き合ったトキエを振ってすぐになるみと交際って。それなのに今度はなるみとは釣り合わないとイジイジする所がはっきり言って嫌いです。男らしく決断するべきです。それなのに、トキエもなるみも松岡もどうして保が好きなのか私にはサッパリ分かりません。青春群像劇というのはこういうものかもしれないけれど、ただくっついたり離れたりする事だけが青春なんでしょうか?それになるみもなるみです。保と別れたからと言ってすぐに取手と付き合うなんて。それもどうなのかと思いますし、けっきょく取手とも別れてやっぱり保が好きっていうのも理解出来ない。一体、保のどこにそこまでの魅力があるんでしょう。取手も取手でそれなのになるみが好きって、一体なぜなのか分かりません。もしかしたら一番一途だったのは松岡と星香だけかもしれません。特に星香は松岡が同性愛者だと分かっても、彼への愛情は変わらず、彼の良き理解者となるのですから。それに、ドラマに残る印象的なシーンとしては取手がなるみを後ろから抱き締め、「俺じゃダメか?」と聞くシーンですよね。いわゆる「あすなろ抱き」と言われていますが、このシーンだけなんですよね。名シーンって。でも、このドラマの主役はなるみと保なんですよ。何か、矛盾しているなと思うのは私だけでしょうか。青春を表現する方法として恋愛が取り上げられる事は納得出来るんですが、もう少し違う作り方があったのではないでしょうか。このドラマを見ていると、大学生ってほぼ恋愛にしか興味がないんじゃないかと思ってしまうし、簡単に人を好きになったり別れたりするんだとも思ってしまいます。もちろん、こういうドラマを好む人は多いと思うんですが、私としては苦手なドラマでした。もっと就職とか将来の事とか、そっちの方を重要視したドラマが見たかったな。と、思います。
今見るとかなりすごいキャスト
改めて見るとものすごいキャストですよね。ヒロインの石田ひかりさんはこの時は既に有名な女優さんでしたが、保役の筒井道隆さんと松岡役の西島秀俊さんはこのドラマで初めて知りました。取手役の木村拓哉さんは既にSMAPとしてデビューはしていましたが、現在のような人気はまだなく、大きな黒縁メガネと短めの髪が初々しかったです。このドラマがキッカケとなり、木村拓哉さんの名前は瞬く間に広がりました。この時は全員が初々しい印象でしたが、現在も皆さん大活躍です。特に西島秀俊さんは、ドラマや映画に引っ張りだこだし、この頃はどちらかというと弱々しい印象だったのに、今や激しいアクションも難なくこなすようになりました。鈴木杏樹さんもこの頃からとても綺麗だなと思っていましたが、今でもこの美しさは変わらないのがすごいです。そして、後から気がついたのですが保の友人役で田辺誠一さんが出ていました。今やイラストレーターとしても大活躍されている田辺さんも、こんな時代があったんですね。いろいろなドラマを見て来ましたが、こんなに主流メンバーが今でも活躍しているドラマはそうそうないと思うんですよ。そういう意味ではとても貴重なドラマなのかもしれません。
ずっと、ずっと大好きです
元々、このドラマを見るキッカケとなったのは、主題歌を藤井フミヤさんが歌うと聞いたからです。私はずっとチェッカーズの大ファンで、解散すると聞いた時には泣きました。それこそ、チェッカーズは青春の一部だったのです。解散をしてからというもの、当たり前ですがテレビやラジオでチェッカーズの曲が流れる事はなく、CDを聞いているだけでした。そんな時に発表されたのがこの『あすなろ白書』の主題歌を歌うという事でした。「TRUELOVE」は、藤井郁弥さんが藤井フミヤと名前をカタカナにしてからの初めてのシングルです。おまけに作曲もご本人という事でいやでも期待は高まりました。そして、実際に聞いた時は想像以上でした。ギターの優しい音色と、フミヤさんの歌声が流れて来た時には嬉しくて、嬉しくてテレビの前に正座していました。ドラマを毎週見ていたのも、フミヤさんの曲を聞きたいが為です。サビの「僕らはいつもはるかはるか遠い未来を夢見てたはずさ」という歌詞が特に好きで、いつも口ずさんでいました。ハッキリ言ってこの曲が主題歌じゃなかったらドラマを見る事は全くなかったと思います。現にこの曲はドラマの主題歌という事を抜きにして多くの人々に今でも愛されています。主題歌は時としてドラマ以上のヒットを出す事がありますが、この「TRUELOVE」はその典型とも言えるでしょう。
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