絵と内容のギャップがスゴイ
主婦の裏側を暴いた作品
まず、いくえみ綾さんの今までの作風から一歩世界を飛び出した内容だなと、衝撃的でした。絵は柔らかいタッチ、カラーも美しくて、女性は眼が印象的な個性派揃い、男性は甘いマスクに優しい嘘、明るい笑顔の裏側、対比がすごく印象的な作品です。
大まかな話の流れは、一言で表すと、不倫ですね。いわゆる、昼ドラの世界の一端を切り抜いて漫画にして、いくえみ綾スパイスで彩られたものです。
不倫って一言で言うとまぁアッサリしたものですが、世の中には男と女しかいないんです。男と女しかいない世界に不倫が起きたらとなると、その場所の惨劇は、誰が見ても火を見るよりも明らかなもんですよね。
でもそんな場面も、いくえみ綾にかかれば、まったく違う世界のアングルで見えてさらにまた考えさせられるという二重トラップ。不倫って正統派なんじゃない?って、一瞬考えた自分が面白かった!
忘れられなかった恋愛
誰にでも、忘れられなかった恋愛はあると思います。私にも有ります。忘れられなかった恋愛に共通して言えることは、肉体関係が無かったものほど、忘れられないというのが、自身の中では王道パターンです。現実の皆様がどうなのか、個人差もあると思いますが、一度切りだったり、叶わなかったり、すれ違って終わったりした相手とある日偶然再会したら??燃えあがるのでしょうか?主人公が浅はかなだけ?初恋だから?
私は男女には動物的なものがある瞬間があって、そういうものが噛み合ったときに不倫や浮気は起こるんだろうな、とこの本を見て悟りました。(笑)あと、絶対自分の旦那には過去の女には会わせないぞ!と固く誓いましたね。だって、リアルすぎて怖い、、、。
そりゃ、男も女も毎日いちごショートじゃ飽きるんですよ。たまには焼肉、スパゲティ、白ご飯に沢庵なんて、組み合わせも食べたいではないですか。それが不倫ですね。理想論だけならば、毎日違う物に変身できる女や男になったならば、不倫は起きないのか、否か、いや起きると思います。それが世の常男女の常。
結婚と恋愛は違うというリアル
このお話しのすごいなと感じたところは、女の本音をことごとく暴いたところです。同じ生き物として、知人や親にそんな部分を曝け出したことも見せたこともありませんが、確実にこの本の主人公と同じような、いやまさに同じことをしたり、しかけたり、されたり、したことがあります。踏み止まるか駆け抜けるか、それがまさに人生のターニングポイントになるんだ!って、握り拳しました。
ちょうどよかったから結婚する、結婚した、これはもうとにかくリアル。実際そこらあたりにそんな女はいるだろうと。
自身も結婚には恋愛をはさまず、冷静に考えしたタイプなもので、この点には感慨深かったです。
女の優柔不断さ、後先の考えなさ、勢い、浅はかさをよく表現しているなと思います。読み進めながら、時々本から眼を話して、深呼吸しながら心を落ち着かせて読んだ記憶もあります。そうしないと、変な汗が背中を伝うんではないかと思うぐらい、女として主婦として気まづい内容もありました。
そんな気持ちを感じさせるぐらい、よく掘り下げて表現されてるリアルさが読み終わっても、また読みたくなり、読むたびに感じ方も変わり、1人の女だけではなく、違う観点に立ちなおし読み直すと、まったく違う物語のように思えたりしました。漫画なのか?本当に?と思いながら読み返していたことをよく覚えています。
結婚に対する執着心
主人公の旦那さんの気持ちがわかる人って、居るのだろうか?私は、ドロついた心の部分って純粋な部分そのもののような気がします。だから、共感するのは、どちらかというと旦那さん側の気持ちだったりしました。
結婚って一種の誓約書であり、契約書なもんですよね。
それを破るということは惚れた腫れたに関係なく破ったやつが悪い!でも、結婚=恋愛、結婚=契約、って考え方の食い違いがあったりすると、もう大変。まさに、この漫画のように。でも、そんなに好きでもなかったけれど、誰かに盗られたとなると、冷めるか熱するか2つに1つだと思いますが、冷めたならまぁそのままサヨウナラでお終いですが、熱するとまたタチ悪いなーと思います。
熱するタイプって、一歩間違えたらストーカー…
怖っ!!!!!…と、しみじみ思いました。そして、自身の旦那はどうなんやろう、と考えてみたり。。
とにかくリアルさが半端ないので、自分の日常生活にも重ねながら、過去も振り返りながら、こんなことろはaさんに似てるなぁとか思いながら読んで読み返して、考えて。
人生BOOKみたいに感じることもあり、マジすげーとか呟いていました。
平凡な生活の中にこそ事件は起きる、みたいな何かのキャッチフレーズみたいな台詞ですが、まさにその通りだと思わさせられる本です。
男女問わず色々な気持ちがわかる、感じる、個性的な本だと思います。
不倫してみたくなる本だ(笑)
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