HERのあらすじ・作品解説
HERは、FEEL YOUNGにて2009年から2010年まで連載された、ヤマシタトモコ原作の女性の内面を描いた連作オムニバス作品である。ヤマシタトモコは、宝島社漫画賞の「このマンガがすごい!2011オンナ編」で第1位と第2位を得た女性漫画家である。この作品も受賞に選ばれた代表作の一つで、2010年祥伝社から単行本が刊行されている。作者は主にボーイズラブの雑誌に発表することが多いが、この作品では20代後半の女性を中心に気持ちの揺れや悩みを描いた短編集を描き女性読者に支持された。 物語は、女たらしの男性客に妄想を抱く美容師や、白髪のレズビアン、普通じゃないことを恐れる女子高生、母の浮気がトラウマになって一夜限りの関係をくり返す地味なOL、女が嫌いな女などに焦点を当てて女性の本音をさらけ出している。単行本には全6作品を収録し、描き下ろしの「BONUS TRACK」や「BUTTER!!!」が併録されている。
HERの評価
HERの感想
全ての女のための物語
全オンナの味方(であると同時に敵)彼氏が欲しいアパレル店員、仕事を捨てたくない美容師、処女であることを焦る女子高生、男を愛せない老女、着飾らない女、女嫌いな女、そして、、、ありそうでなさそう、日常のそこらへんに潜んでいそうで潜んでいなそうな女達のあれこれを描いた短編集。彼氏欲しくなくても、仕事はどうでもよくても、処女じゃなくても、男を愛していても、それぞれのキャラクターどこかに共感できる大好きになる部分がある。そして、登場するキャラクターが憎らしい、羨ましい、そんな感情も同時に得られる。友達になりたい女、尊敬できる女、こうはなりたくない女、遠くから見つめていたい女、いろいろな女が登場する。女の世界の複雑さ、面倒くささ、可愛らしさすべてが詰まった珠玉の作品だろう。「女は醜くくて、男は愚かだ」最後のストーリー、CASE.6 これはいままで登場した全てのキャラクターを象徴する言葉だ。これを言うのが、...この感想を読む
おもしろかった
このマンガがすごい!2011オンナ編1位のマンガということで興味をもち購入しました。どの世代の女性でも共感できる、マンガだとおもいます。6本のオムニバス形式になっているのですが、登場人物がどこかで繋がっているところがおもしろいと思いました。その女性たちは、それぞれ悩みを抱えています。普遍的な悩みだけど他人に簡単に言える悩みではないというかんじです。少女漫画のあまくほのぼのした感じはまったくなくて、斜に構えたかんじのマンガだなと思いました。そこがすごくおもしろいと私は思いました。とても読み応えのあるいいマンガだと思うので、よかったら是非よんでみてください。