これぞ究極の野球アニメ
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ある日突然、中1の乙女がドカベンにはまった
初めてこの作品に出会ったのは中学1年生の時です。私は昭和63年生まれですので、リアルタイムで見たのではありません。部活から帰ってテレビをつけ、チャンネルをキッズステーションにすると、ドカベンの2話連続放送をしていました。時代を感じる映像になんとなくひきつけられ、なんとなく見てみました。
私はそれまで野球に全く興味がありませんでした。しかし、見始めると途端にドカベンの世界に引き込まれていきました。個性的なキャラクター達、リアルでそれできるの?と思うような秘技、飛ばすことなく描かれる詳細な試合シーン。そのどれもが私のツボにはまりました。クラシック音楽が好きになったのも、この作品の影響だったり。
野球がテーマの作品は他にもいろいろあり、ヒロインとの恋愛模様がストーリーの主軸だったりすることもありますが、ドカベンはとにかく野球を極めたストーリー。恋愛要素0なわけではありませんが、主人公にからんでこないという珍しいパターンではないでしょうか。そのおかげで、野球自体だったり、試合中の心理がしっかり描かれていて、究極の野球アニメだと感じました。
好きなのはやっぱり里中君
ドカベンの女子ファンの多くの人が好きになるのは里中君でしょうか。私ももれなくそうでした。端正な顔立ち、身体の線の細さはもちろん女子のハートをつかみますが、頑固なほどの芯の強さや闘志といった男らしさもあり、より一層魅力的なキャラクターになっていると思います。山田太郎との男の友情もグッときました。今の時代だったら、BLの2次創作も作られたりするのかしら。昔からそういう楽しみ方をしていた人もいたのかしら。私は別にBLに興味があるわけではないですが、女子と違ってべたべたしたり密なコミュニケーションをとるわけではない男子の友情というのは、表面的ではなくもっと深くで強く結ばれているような気がして、すごくいいなと感じます。
重くなりがちな試合展開を中和する個性的なキャラクター
ここまでしっかり試合の描写をし、時には見ていてハラハラドキドキ、息が詰まるような苦しい試合展開もあったりすると、展開ももったりと重苦しくなったりしそうなものです。しかし、この作品に出てくる個性のキャラクターたちが、そんな重苦しさを上手く中和してくれていると思います。1試合に何話使うんだ?という、現在では考えられないペースでの進み方ですが、キャラの個性や技があるおかげで、作品の軽快さが保たれているのではないでしょうか。凡庸なキャラばかりだったとしたら・・・。ストーリーのテンポの感じ方が違っていたかもしれないと私は思っています。
いやしのさっちゃん
高校野球の作品のヒロインは、主人公と同じく高校生の女の子だったりしますが、この話の主人公である山田太郎には恋愛話がからんできません。岩鬼正美の思い人が出てきたりはしますが、ビジュアル的にも(夏子さんゴメンm(..)m)、主人公への絡み的にも、ヒロインという立ち位置にはほど遠いです。珍しい、ヒロインなしの作品?!
作品に華やかさ・明るさを与えてくれるという意味で、一番ヒロイン的な立ち位置なのは、山田太郎の妹・さっちゃんでしょうか。一般的なヒロインとは全く違った感じですが、小さいながらも一生懸命応援する姿はとても愛らしく、男子ばかりのむさくるしさの中に、明るさを運んでくれる存在です。あの子供らしさ・アニメ感が本当に可愛らしいです。
ちなみに、アニメよりもっと先の時間軸が描かれた漫画の方では、さっちゃんのヒロイン感が増してますかね。
時代を超えて愛される、究極の野球アニメ
恋愛ものだったり学園ものだったりは、昭和と現在の世の中では色々なことが変わっていて、若い子には「ん??」という描写もあるかもしれません。連絡を取れないもどかしさやすれ違い、今の子たちは分からないんだろうなぁ。
しかし、野球というものは不変です。細かいルールだったりは変わっているかもしれませんが、スタイルや魅力が大きく変わっているわけではありません。だからでしょうか、アニメ放映からずいぶん経って生まれた世代でも、大きな違和感を感じることなく、作品の魅力を感じ、好きになったりするのだと思います。(絵のタッチの違いにかなり違和感は感じるかもしれませんが。)今でも影響を受け、野球の世界に足を踏み込む人も多いのではないでしょうか。
女子の場合、他作品になりますが、「タッチ」を見て野球部のマネージャーに憧れる子は多いと思います。ですが私は、この作品を見て「野球部のマネージャーになる!」と心に決めました。高校に入学する前には、春の甲子園を見ながらスコアのつけ方を勉強したりしたものです。残念ながら、定員オーバーでその夢を実現することはできませんでしたが、この作品との出会いは私にとってとても大きなものでした。
レビューを書きながらドカベン熱が再び。
最近は現在放映中の作品ばかりに触れていましたが、こうしてドカベンを振り返っていると、またドカベン愛が燃え上がってきました。長い作品ですが、面白くて本当に大好きだがら、つい睡眠時間を削りながら猛烈なペースで見ちゃうんですよね。さて、見よう。
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