アニメ化がなければ成功しなかった? - ARIAの感想

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ARIA

5.005.00
画力
5.00
ストーリー
4.83
キャラクター
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設定
5.00
演出
5.00
感想数
3
読んだ人
3

アニメ化がなければ成功しなかった?

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

不遇な連載開始

この作品でこの作者の作品を知った方は多くいるでしょう?しかし、この作品ARIAとその前の話AQUAは読者から受け入れられて連載がはじまったかと言えばそうではないでしょう。なぜなら前作が編集部のお家騒動に巻き込まれて強制終了となってしまったからです。他誌に移って新章開始なら当事からありましたし、まだ良かったでしょう。ですが発表されたのは、いきなり新作新連載開始とされていままで読んできた読者を裏切るような行為でもあったのです。当時の読者は今でもこの前作のやつの続きを出るのを待ち望んでいます。

過去作とは色が違う作品

連載開始と相成りましたが、やはり当事は受け入れにくい作品でした。なぜなら今までこの方が描いてきた作品とまったく逆の作品だったからです。初連載の作品「浪漫倶楽部」は少しホラーな感じで学校の裏山にあるパワースポットの石のせいで起こる不思議事件を解決していく話でこちらは最終回まできちんと完結しました。ですが次が強制終了となってしまった作品「クレセントノイズ」。これは人の感情を音で聞く事ができる少年少女達が振夜の来訪者と呼ばれる、人の感情を奪う人ならざる者と戦っていくバトル物で当事打ち切られた時がちょうど色々伏線がばら撒かれはじめて、敵の正体なども少しずつ見えてきて面白くなってきたというとこで打ち切られました。この両作品とも日常の中の非日常を描いた物語でありました。しかしARIAはそれらとは違い日常的な話で普通の何気ない日でも見方を変えればすばらしい日になるというような日常を強調するような話で構成されており、さらに浪漫倶楽部やクレセントノイズのような毎回大きい事件があるわけでもなくのんびり進む話に前作のファンとかでも拒否反応を示す読者もいました。当時は殆どが早く終わってクレセントノイズの続きを描いてくれという読者が多かったのです。

アニメ化して一変

連載も続くなか、本作もアニメ化が決定しアニメが放映されました。当事はあまり期待されてなかった作品でしたが、放映が続くにつれファンは増えていきました。それは舞台が実際のヴェネツィアを元にした架空の都市ネオ・ヴェネツィアという事で西洋の綺麗な街並みでもあり、さらに物語としては、色々な事件やバトルや欝展開などもなくまったり流れる空気で一話一話やり欝展開や重い展開のアニメに疲れた人が見るにはまさにうってつけでした。まして深夜アニメでしたので、観るのは学生かそれ以上向けとなり、社会に疲れた人にとっては一時のやすらぎのようにまったり観れるアニメとして見る人も増えていきました。そしていまでは癒しということで、ヒーリングアニメの金字塔とまで呼ばれる作品になりいままでの評価を覆しました。これにより前作ファンなど敬遠されていた方も漫画の方を読むようになり、さらに読者は増えていきました。実際に読んで見ると。前作を活かしたホラー話とか非日常的な話も多々あり、単なる日常作品では終わらない天野こずえの色がじっかりと出ていると作品となってます。

まとめて読むべし

アニメ化するまでの評価が著しくなかった原因の一つが月刊連載であったことです。、そして雑誌の上位組みに入る作者でありながら、内容はこの作品を読みたいから雑誌を買うというような作品でなかったことですね。他のメイン系を一通り見てから読むというような内容であったため雑誌では最初は飛ばされる系です。一話一話はしっかりしてるのですが、月刊という雑誌で個別個別に読むと他の作品に食われてしまい印象に残りにくい作品となってしまったのです。週間で連載ならまだよかったのですが、1ヶ月毎の発売で内容も続きが気になるような話ではないということが注目されなかった一因でしょう。しかしコミックで読むと、日常というものを色々な視点で見てる事がわかり、1話完結なので1冊でも色々な話があり読み応えとしては十分にあり、キャラの魅力も見えてきたりで最後まで面白く読めてかつその演出などからヒーリングコミックと呼ばれる所以も納得がいくでしょう。

アニメから漫画に入るほうがいい?

ヒーリングコミックと呼ばれてる本作ですが内容的に漫画からだと話自体がかなりゆったりなテンポで人によっては読むのに疲れてしまうかもしれません。ゆっくり時間をかけて読書される方ならよいかもしれませんが、早くストーリーが動いて欲しいという方には少し不向きな作品ではあるかもしれません。なのでもし興味があるからこれから読んで見たいという方や友人などに勧める場合はアニメからはいってこの作品の空気を実感してから漫画を読むといいかもしれません。アニメでしたらある程度作品に必要な話にしぼりメインキャラがそろうまでは漫画より早いのでそちらである程度慣れてからの方がいいかもしれません。意外にも漫画だとメインの登場人物全員がそろうまでに思ったより話数があり後半の方しか知らない方や途中から読み始めた方は。少し驚くかもしれません。

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現実にもなるかもしれない!未来の火星と地球の形。西暦2300年頃、テラフォーミングされ「水の惑星」として生まれ変わった火星、通称「アクア」を舞台にしている「ARIA」では、アクアだけではなく地球のことも語られています。主人公の水無灯里は「マンホーム」と呼ばれる地球からアクアへと、ウンディーネになるためにやってきます。憧れのアクアに降り立った灯里が、まず一番感動したのは「全て自分たちでやっていること」です。マンホームでは「便利」と「効率化」が大事にされていて、買い物や調理なども「便利」と「効率化」によって自分の手で行うことはほぼなくなっています。買い物もネットが主流で、外に出ることも少なくなっているようです。テラフォーミングされ、水の惑星へと生まれ変わった「アクア」ではマンホームとは対照的に「便利」と「効率化」を求めません。料理や買い物も自分の手で行い、朝は、空飛ぶバイクに乗って配達しに来た「シ...この感想を読む

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ゆったりと流れる日常この作品は私が読んだ漫画の中で1、2位を争う大好きな作品です。まずその映像美が素晴らしいです。ヴェネツィアの風景が忠実に再現されていて本当に風景が美しくて溜息が出ます。そして、作中に流れるゆったりとした世界観。水に囲まれたネオ・ヴェネツィアだけあって水の流れのようにゆったりとしています。読んでいるとこの世界に引き込まれてゴンドラに揺られているような気分にさせてくれます。ネオ・ヴェネツィアに暮らす人々は穏やかな人ばかりです。藍華や晃は一見気が強くて穏やかそうには見えませんが心の中の根っこの部分が穏やかなんだと私は感じます。心が美しいのです。あんなに美しい街で暮らしているとイライラしたり落ち込んでもすぐ立ち直れそうです。ウンディーネとしての成長ウンディーネというはネオ・ヴェネツィアでは花形の職業です。しかし見た目とは違いかなりハードな仕事です。女性の細腕でゴンドラを操作...この感想を読む

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