生きているだけで奇跡。 - 余命1ヶ月の花嫁の感想

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余命1ヶ月の花嫁

3.503.50
映像
4.00
脚本
3.75
キャスト
4.00
音楽
2.75
演出
3.25
感想数
2
観た人
2

生きているだけで奇跡。

3.53.5
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.0
音楽
2.0
演出
3.5

目次

余命1ヶ月の花嫁

この作品は実際にあった24歳の女性の闘病生活を映画化した作品です。

個人的には実話で話をあまり派手にはできない中、よく泣かせるシーンもうまく描けているなと思いました。しかし、その反面ここは違うじゃないか。と思うシーンもいくつかありました。

そこでまずこの作品をみて私が惜しいなと思った事を紹介します。

長島千恵さんの行動に感激

長島千恵さんは若いうちに乳がんを持っている、またそれと闘っている中、その自分をビデオに撮って欲しい、そしてテレビを通して伝えたいという事を彼女の友達に頼みます。

映画の中でこのシーンはそこまで長く扱われていないのですが、この決断に至るまでに彼女は相当な勇気を出したと思いますし、迷いもしたんだろうと思います。

そのお陰でドキュメンタリーなどもでき、また映画にもなったわけで、もう少しこのシーンに関して長く扱って欲しいなと思いました。

榮倉奈々さんはかわいい。でも。

個人的にはすごい榮倉奈々さんは可愛くて好きでした。しかし、病状が悪化して行くとともに千恵がどの程度悪いのかというのが伝わりにくくなっていきました。

結婚式のシーンがあるのですが、既にその頃余命は1ヶ月持たないと言われていたはずなのですが、病気が治ってしまったんじゃないかというほど元気に見えてしまったのが気になりました。

その後の涙を流して眠りにつくシーンについても、そこまで深刻さがなかったせいか、尺を取りすぎているような印象を受けてしまいました。

何かメイクなどで顔色をどうにかできなかったのかなと思ってしまいました。

バックミュージックが気になる

始めの方に自転車に乗るシーンがあるのですが、とにかく気になったのがバックミュージック。

これが1番映画全体で気になったところです。

すごいいいシーンなんですが、歌詞みたいな囁きみたいな声が聞こえていて、そっちの方に気を取られてしまうような印象でした。

また、結婚式のシーンにおいても、千恵がバージンロードを歩いている途中で不自然に音楽が切り替わっていて、私としてはなぜそこで音楽を変える必要があったのか?ということがすごく気になってしまいました。

と、ここまでは悪口を書き込んでしまいましたが、もちろん素晴らしいな、と思えるようなシーンもたくさんありました。

お父さん(柄本明)が素晴らしい

私がこの作品において1番気に入った役者さんが千恵さんのお父さん役の柄本明さんです。

とにかくセリフが他の人と比べて少なく、口下手で必要なこと以外全く喋らない、不器用な昔の時代のお父さん。そんな雰囲気を見事に醸し出していたのがすごいなと思いました。

しかし、お父さんは千恵のことを大事に思っていて、人一倍心配しているのです。

柄本明さんはそれを持ち前の表情と雰囲気でうまく表現していました。

彼が太郎くんの誕生日の日、ケーキを食べながら太郎くんにありがとうとお礼を言うシーンがあるのですが、今までほとんど言葉にしていなかったお父さんがついにお礼を言って、太郎君を認めたんだ、という風に感情移入してしまい、涙が止まりませんでした。

しつこいくらい泣かせにくる、でも泣いてしまう

こういう作風によくあると思うんですが、とにかく泣かせようとするシーンが多いです。

正直そんな綺麗な感じにしなくても、とひねくれた自分は思ってしまうのですが、そんな私でも涙してしまうシーンがいくつかありました。

それは前にも述べた、お父さんが太郎君にお礼を言うシーン、そして結婚式のシーンです。

結婚式のシーンなんて泣くに決まってる、お決まりのシーンだとは思います。しかし、それを踏まえても素晴らしいシーンだったと私は思いました。

千恵さんがウエディングドレスを着て、お父さんと出会うシーン、太郎君と誓いを立てるシーン、昔話をしていた指輪を渡されるシーン、プロポーズをするシーン。。

幸せ、と言える瞬間をいくつも、大切に含んだ素晴らしいシーンだったと思います。

少し榮倉奈々さんが元気でも、音楽がうるさくても、瑛太についた花びらが気になっても、そんなのどうでもよくなるくらい、この瞬間の幸せ、と言うものが強くそこにあって、それが伝わってくる素晴らしいシーンでした。

私の意見としては、その後のシーンに関してはなんかさーっと流れるような印象で、千恵さんが死んでしまうシーンや、その後のビデオレターについては心に響かなかったのが残念でした。

生きていることの大切さ

この映画を通して、訴えたかったであろう彼女のメッセージは、生きていることの奇跡であったと思います。

人間不謹慎なもので、自分より不幸だったり、命絶えそうなものを見て、そこから命の大切さ、自分の立場のしあわせを感じてしまうものです。

それでも、そういう風に伝えてくれている方がいるのであれば、卑屈にならず、彼女のメッセージを受け止めて、今の自分に感謝をしよう。と私は考えます。

今を大切に生きることのメッセージが詰まった素晴らしい作品だったと思います。

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千恵さんが望んだのは「哀れみの目」を向けられることではない

評価が分かれる実写作品、その理由は?この作品は事実に基づいたドキュメンタリー要素の強い作品であるため、厳しいレビューはあまりしたくないのだが、亡くなった長島千恵さんとそのご遺族、彼女を取り巻く仲間の方を批判する意図はなく、あくまで映画作品の作り方として考察したい。この作品はストーリーとしては決して軽んじられるような内容ではないし、むしろ一つの作品として世に出す題材としては作りようによっては素晴らしい作品になる題材だと思う。しかし、厳しい評価がされている理由に次のような点が考えられる。この作品は、ドキュメンタリーで事前に放送された千恵さんの闘病や死という事実や、それを受けて視聴者がどう思ったかという感情にやや依存して成り立っている印象を受ける。後に述べるが、ドキュメンタリー抜きでこの映画が千恵さんを世に知らしめる最初のメディアであれば、また評価は違ったろう。また、タイトルの「余命一ヵ月の...この感想を読む

3.53.5
  • tamamatamama
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