とにかくサエコさんのキャラクターが魅力的でした
目次
サエコさんのキャラクターが徹底されていておもしろく、ドラマも毎回見ていましたが、今回はこちらの漫画内容についてレビューさせていただきます。
少女漫画っぽいタナボタ的要素が少なくておもしろかった
わたしは少女漫画によくある、
ぱっとするところもなく感情の起伏が激しく「どうせわたしなんか」みたいなさえない主人公が、なぜかお金持ちで美形のイケメン男子に取り合いされてどっちも選べなくてどうしようって展開を経て、ハイスペックな方と結ばれるっていう女性の夢てんこ盛りみたいな雰囲気ストーリーが苦手で、というかおもしろいと思えなくて、ある年齢くらいから少女漫画はあまり読んでこなかったのですけど、失恋ショコラティエはその点すごくおもしろかったですね。
登場人物全員モヤモヤしていましたし、ありえなさすぎる展開が少なかったように思えます。
一般的な少女漫画だったらきっと、薫子さんの視点からストーリーが展開されていって、まさかの大逆転ホームランで薫子さんと結ばれるのだろうなと思います。
そういうことが無くて本当に良かったです。
登場するモテ技が何気にすごかった
設定では容姿は十人並みとのことでしたが、作中に垣間見えるモテテクニック、おもしろかったですね。
恋愛市場でいかに多くの男性の気を引くかという点だけではなくて、人間関係において自分の人気を出したい、好印象を持ってもらいたいときすべてにおいて言えることだと思いますが、商品である自分をいかに第三者的目線で冷静に観察分析できるか、何を強みにどのように販売、見せていくのかということがどれだけキモなのかということを教わったようです。営業セールスとかのテクニックのようでした。
自分をきれいにラッピングして相手に届けてあげる論のところとか、読みながらうなっていました。
ただの表面的なモテテクじゃなくって、根っこの部分の姿勢ですね。
これを、ただ表面的になぞって真似するだけでは、彼女のようにはなれないでしょう。
あと、基本的に彼女はカラっと明るく生きていますよね。
そして計算もしているけれど、この人だったら次にこういうこと言ってくるだろう、こういう行動するだろうという定番のパターンみたいなのがなく、次に何言い出すか、何しだすかがわからないところが、男女問わず人を惹きつける魅力なのだろうなと思いました。
計算高さは悪ではない
根底に人を自分の思い通りに動かしたいという欲望があったとしても、人の目に自分がどんな風にうつっているのか、どういう行動を望まれているのかなどと考えながら生きていくのは悪いことではないと思います。
結構なサービス精神がないとできないことですし。
具体的な言葉を覚えていないのですが、自分がやりたいと思ったことは世間的に悪かろうが常識的でなさそうが、やってみないと気が済まないし貫きたい、というようなことをサエコさんが語っていたシーンがありましたよね。
あのシーンが、本編全部通してわたしは一番好きだし、とても納得しました。
モノだけじゃない、自分自身の付加価値も時間と共に移ろいで行くもの
学生時代や独身時代にモテモテだったつまり、数多くの男性から言い寄られていたということをサエコさんが自分の価値として、自分の拠り所にしていたとしたら、結婚後の生活のギャップについていけなくなりますよね。
急に自分に長所がなくなってしまったというか、自分の価値を証明してくれるものがなくなったというか、中盤で少しそんなエピソードがあったように思います。髪を切られたあたりとか。
どういった特技や長所もまた、同じ人物であっても、死ぬ時までずっと同じ価値があるものではなく、うつりかわっていくものなのだなとしみじみ思いました。
一生もののコートが全然一生は使えないように、人だって変わっていくものなので、付加価値ですら常に更新して磨いていく必要があるのですね。
改めて考える、なぜ不倫の恋愛がいけないか
一般的に不倫恋愛ってタブーですよね。
ただ、どうして不倫って駄目なのだろうかとしばらく考えてみたのですが、わたしが考えた中ではどの案もあまりしっくりこなくて、人に聞いてみたり文献を見たり調べていた時期がありました。
今までわたしが耳にした中で、いちばんもっともだなと思った意見は法律で禁止されているからです。
それも詳細があって、普段わたしたちは民法などの法律というものに守られながら、日本で安心に暮らすことができていますよね。
交通安全の規則があるから、歩いていて車にはねられてしまうことはまれだし、お金でのやり取りにもルールがちゃんと制定されているから、電気代をきちんと収めていればいきなり電気が来なくなってパニックになることもない。
憲法、刑法、民法など数々のルールに守られて暮らしているのに、そこで自分の勝手で不倫だけはしていい、というのは規則違反だから、規則を守るという義務を果たしていないことになる、だから不倫恋愛はダメだ、というのが詳細です。
非常に納得しました。
ただ単に、ダメなものはダメとかでなく、そりゃそうだなと思いました。
絵柄もきれいでとてもおもしろい漫画でした。
以上、失恋ショコラティエに関する考察でした。
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