歴史ファンタジーの真骨頂
世界観が好き
渡瀬さんの作品てどれも好きなんですけど、特に歴史ものが好きなんですよね。だからこの作品はドンピシャでハマりましたね。元々私の母が好きで家にあって読んでたんですけど、ある日気づいたら家からなくなっててびっくりしちゃいました(笑)もう一度見たくて思わず自分でもう一度買い集めちゃったくらいですからね(笑)なんせ何度読んでも飽きないっていうのがすごいと思いますよ。よく研究されているなっていうのがよくわかる描写が多くて勉強にもなるし、それだけじゃなくて渡瀬さん独自のオリジナリティも混ざっているので面白かったです。特に中国の歴史って意外と知っているようで知らないこともあったので、ちょっと興味がわきましたね。四神の話っていろんなところでやりますけど、それとはまたちょっと違った感じが良かったです。何ていうか四神と直接的に関わることってそうな買ったと思うんですよ。ましてや四神が擬人化したりなんて想像もしてなかったですもん。そういう変化球を出してくれるのも渡瀬さんならではだと思うんです。とにもかくにもこの作品は私の中でも結構上位にランクインする作品ですね。
美朱が主人公らしくない
なんていうか今までのヒロインってザ・ヒロインって感じで乙女チックというか物凄く女の子女の子している感じが強かったんですけど、美朱は違いましたね。今までのヒロインにはない明るさっていうか言い方悪くなっちゃいますけど、ちょっとおバカキャラな感じが新しいなと思いました。そしてなんせよく食べる(笑)あんだけ食べてるのにスタイルが変わらないってなかなかの魅惑ボディの持ち主だと思います。これがいわゆる少女漫画マジックってやつなんですかね。ふつうあれだけ食べてたら太りますよ。間違いなく。食べるのはいいことだって言ってもあれはやりすぎの域ではないかと(笑)でもそれも美朱だと可愛いっていうかなんか許せちゃうんですよね。それに最初の頃はちょっとおバカなのかなと思ってたんですけど、物語が進んでいくにつれて成長してましたね。頭が良くなったとかそういうことじゃなくて人間性が養われていったっていうんでしょうか。元々人とのつながりとか大事にする子だったのがより磨きがかかったっていうか。美朱の言葉に説得力が生まれていたような気がします。ただ鬼宿との絡みのところはちょっと乙女でしたね。まあ、言ってもさほど変わりはしないんですけど、やっぱり恋する乙女っていう感じがありありと出ていた気がします。それにまぁ、何といってもモテモテっていうのがやっぱりお約束なんですかね。なんてったって4人から想いを寄せられてたんですからね。こんなハーレムそうそうないですよ。でもまぁ、美朱はモテる子だと思いますよ。現実世界ではそんなに目立たないっていうかあんまり他の男子生徒とかと絡んでいるところがなかったからあれですけど、間違いなくモテるタイプだと思いますよ。だからまぁ、そういうところからするとヒロインらしいと言えばらしいのかもしれないですけどね。
羨ましいくらいの友情
美朱と唯の2人ってすごい仲良しだと思うんですよね。小さいころからずっと一緒にいるからっていうのもあるのかもしれないですけど、それにしてもこんなにずっと一緒にいれるのってそうないと思うんですよね。それに美朱の方が唯に依存しているのかなって思ったんですけど、唯の方が依存してたんですね。でも考えたらよくわかることなのかもしれませんね。美朱は天真爛漫って感じだし、人懐っこいから誰とでもすぐ打ち解けられるからみんな集まってくるけど、唯の場合はちょっとクールな感じがあるから近寄りがたいっていうか、高嶺の花っていう感じでみんなから尊敬とかはされるけど、親しみを込めて近づいてくる人ってそういないと思うんですよね。だからそんな唯にとって美朱の存在は心のよりどころっていうか自分の唯一の理解者と言ってもいいくらいの存在だったんだと思うんです。だからそんな美朱が他の人に夢中になっているのが許せなかったんでしょうね。それこそ最初はお互いに鬼宿のことが好きだったからそういう面でぎくしゃくしてたっていうか、唯が一方的に美朱を嫌っていた部分があったんですけど、途中から美朱よりも鬼宿に嫉妬していた感じがあったんですよね。鬼宿もそれに気付いていたっぽかったですしね。そう考えるとちょっと友情というよりも愛情に近いものがあったのかもしれないですね。
七星士たちの絆の差がすごい
なんていうか同じ七星士なのにこんなにも関係性に違いが出るものなのかと思いましたね。朱雀七星士はなんていうかみんな仲良しっていうか強い絆で結ばれているのがよくわかるからお互いに助け合って戦っている感じがしたんですけど、青龍七星士たちはなんていうか打算的っていうか、お互いのメリットのために一緒に戦っているっていう感じがしたんですよね。特に心宿なんか自分のために仲間どころか巫女である唯まで利用しようとしてましたからね。私の中で心宿がダントツで嫌いでした。でも房宿にとってはそんな心宿でも自分にとっては命の恩人であり、好きな人だったんですよね。確かに根っからの悪っていうわけじゃないっていうのは分かるんですけどね。小さいときの経験からちょっと歪んだ性格になっちゃったっていうか、冷酷な人間になっちゃったっていうか。でも最期の時には房宿が出てきたってことは天国で二人は結ばれたんでしょうね。心宿もなんだかんだいって房宿のことが好きだったんだと思います。房宿に対する態度は明らかに他の人たちと違いましたからね。きっと本人は無意識でやってたんでしょうけど。房宿はそれに気づいていなかったみたいですけど。心宿が自分の気持ちにちゃんと気づいていたら2人は生きている時から結ばれていたと思うんですよ。そう考えると切なくなっちゃいますね・・・。なんていうか朱雀七星士は心で結ばれていたけど、青龍七星士は目的のために集まったっていう感じが強かったですね。そういうところでもメリハリをつけたかったんでしょうね。
美朱と鬼宿の想いの深さ
この2人の想いの深さはすごいものがあったと思いますよ。だってまさかの本の世界から現実に出てきちゃうんですもん。ましてや生まれ変わって現代の人間にまでなっちゃうし。今までの巫女たちがなしえなかったことをやってのけちゃったんですもん。でもそれはきっと朱雀が愛の力を司っていたからっていうのもあったのかもしれませんね。だからこそこういう奇跡が起こったのかもしれないですね。それにほかの四神たちと違って朱雀星君は優しいっていう感じがあったんですよね。より人間に近いというか青龍はなんていうか冷たいというかただ巫女と契約を結ぶためっていう感じが強かったんですけど、朱雀はそんなことなかったですね。それ以外に巫女自身を気遣うような描写があった気がするんですよね。それに美朱と鬼宿のお互いを想う気持ちが朱雀の力にもなっていたのかもしれません。だから朱雀もそのお礼的な意味も込めてちょっとした奇跡を起こしてくれたのかななんて思うんですよね。2人で現代で結ばれてくれた時にはほんとにうれしかったですね。なんていうか今までの悲恋がやっと実ったっていうか今までの巫女たちが報われなかった分幸せになってくれたらいいのになって思いますね。それに最後の子どもと三人で星を見上げるところなんかほんと幸せそうで微笑ましかったですね。
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