それぞれの人生
過去
麻枝准の超代表作エンジェルビーツ!あの話の中では様々なキャラクターが様々な理不尽な過去を背負っています。今回はその中でも私が感じた疑問を述べていきたいと思います。まず第1に死んだ時の年齢の問題。あの話の中では現実世界で死んだ時の年齢が凍結されてそのまま死後の世界に行くのかどうか。例えば青春時代を謳歌できなかったおじいちゃんやおばあちゃんがあの世界に行くことはできるのか…もしいけると仮定するならば年齢はどうなるのか、高齢のままなのかどうか。ゆりっぺの見解だと理不尽な過去により青春時代をまともに過ごせなかったものがあ世界に行けるという話でしたが、あの世界に理不尽な過去に抗う高齢者はいなかった。となると私は、高校生の年齢にまで若返るという説を推します。そしてあの死んだ世界戦線のメンバーの中での高齢者、つまりは若返ってあの世界に迷い込んだメンバーが1人いると思います。それはTKです。TKは今作の中でもかなり謎の多いキャラの1人でもあります。なぜTKが若返った者かというとTKは首からずっと手錠をぶら下げています。この時点でかなり牢獄との関わり、つまりは犯罪者の可能性があると思います。しかしこの死後の世界に犯罪的な悪いことをしたものはいません。つまりTKは冤罪で罪を長期の期間に渡って償っていたと思います。そのせいでTKは無知なことが多く言葉も不安定なのだと思います。
奏
今作の中でもかなり謎の多い人物、奏。彼女は主人公音無から心臓をドナーで受け取り、そのお礼がしたいがためにこの世界に来たといっていました。この時点で一つの矛盾が生じています。あの世界ではりふじんな過去により青春時代を過ごせなかったものがくる世界。なのに奏は主人公である音無の心臓をもらい素晴らしい人生を送れたと言っていました。奏本当はあの世界には絶対に来れない存在なのです。なのになぜ奏はあの世界に来ることができたのか、本当に興味深い問題です。ありがとうを言いたいがために来ることができるのなら、少しの心残りでほとんどの人間が来ることができます。そして、最大の謎がもし、音無が記憶喪失にならずにあの世界には来ないで成仏していたのなら奏はどうなっていたのか。奏はありがとうを一生伝えることができずに、一生あの世界の住人だったのか…そして最後にもう一つ。時間軸の謎です。これは思っていた人も多いと思いますが。音無の心臓で奏は病気から命を助かった、または音無から命を授かったといってもいいでしょう。整理すると音無の方が奏より先に死んでいるのである。なのになぜ、音無より早く奏の方があの世界にいて音無を待ち構えている状況にあるのか。時間軸が確実にずれています。ここでの私の考えは、この時間軸の説を正すために証明しなければならない仮定があります。あの世界は色んな時代の人間が混ざり込んでいる説です。例えば昭和に死んだ人もいれば平成に死んだ人もいるのです。あの世界には時間という概念がなく、様々な時代の人間が集められていると私は考えます。そう考えると全てのことに辻褄が合います。最後は奏の死です。奏はどういう死であの世界に来たのか。理不尽な死に方ではないことだけはわかります。なぜならあの世界は心残りがあるだけでも来ることができるのだから、しかし私はここでゆりっぺの言葉を信じようと思います。ゆりっぺの青春時代を謳歌できなかったものがここに来るという言葉を。奏は自分だけが幸せになることを恐れ無意識に幸せな青春時代を送っているはずが、幸せではないと思い込んでいたのです。だからこそあの世界に来ることができたのだと思います。あの世界に来ることができたのは言い換えれば奏の優しさの表れということです。優しさからから使命感が彼女の幸せだった青春時代をそうでないものに無理矢理かえたのです。
神
今作最大にして迷宮入りの謎、神の存在です。結論から言うと、私は神という存在はいないと思います。しかし!神に近い存在のものはあの世界にいたと思います。あの世界に時間という概念がない以上、あのシステムを管理しているものがいると私は思います。そしてここらはわたしのかなり主観と気持ちが入りますが…神がいることを信じ、戦ってきた死んだ世界戦線のメンバーは神がいなかったことに絶望しました。そこにあの作品の本当の意味、花、夢、感動があると私は思います。神がいなかったからあの世界で過ごしてきた仲間たちとの絆や思い出は無意味なことなのか、決してそうではありません。あの世界で過ごした時間はメンバー全員にかけがえのないものを与えてくれたと思います。そして消えるときは、メンバー全員がそのことをわかって消えて行きました。もし神がラスボスでいたとしたら、そんな感情を抱くことはなかったでしょう。争いは何も産みません。何かを目標に仲間とともに進むことが大切なことなのだと、神がいないことでわかることができたのです。
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