Fate／stay night UNLIMITED BLADE WORKS　の個人的な考察 - Fate／stay night アンリミテッドブレイドワークス- フェイト/ステイナイトUNLIMITED BLADE WORKS の感想

この作品の特徴とは

この作品は2004年に発売された成人向けゲームである『Fate/stay night』を原作としたアニメです。

アニメ自体のシナリオとしては主人公が聖杯戦争という戦争に巻き込まれてしまい、それらの困難を友人や英雄達の存在を映し出したサーヴァントという存在を利用して様々な困難に立ち向かっていくというものです。

このアニメは主にアクションシーンや主人公達とサーヴァントとの関係性、また友人達との関係性というものを深めていくという部分がこのアニメの進行における特徴となっております。

前作の｢Fate stay night｣との相違点とは

前作であるFate stay nightとの違いとしては様々な部分が存在します。(以下省略のため2004年前に放送されたものを前作、2014念に放送されたものを今作と表現します)

まず制作会社が異なります。前作ではTYPE-MOONが制作を行っており、今作ではufotableが制作を行いました。画風というものも全く異なりアクションシーンやそれぞれの風景などの描写については今作のクオリティが非常に高いです。特にアクションシーンについては非常に差があるように感じます。ufotableの作るアクションシーンは非常にスピード感があるものの丁寧にそれぞれの描写が描かれているのでリアリティも損なわずに実際にアニメを体感することができます。

内容という面に関してはまず大きな部分として体感的に｢ルート違い｣という部分を大きく感じます。前作では｢セイバールート｣というように感じました。主に展開についてもセイバーと主人公である士郎(主人公を以下士郎と記述)を中心にストーリーが進んでいくものでした。しかし今作では｢凛ルート｣でありセイバーとの会話とも少なからず存在しますが展開としては非常にヒロインである凛との会話という部分などが多かったように感じます。またそのアニメの方向性としても相違点があったように感じました。前作では一般的な成人向けゲームのような展開などの流れなどが実際に多く存在したように感じます。(もちろんアニメの描写としてはそのような性的な表現はされません)しかし今作では基本的に原作ファンに喜んでもらうためにストーリー部分に重心を置いた作品作りになっていたように感じられそれぞれのキャラクターの関係性の深まるという点については前作より非常に薄く仕上げられていたように感じます。またこの点(関係性を深めるという部分)では前作では非常に緻密に描かれていた部分もあったのでその部分を評価していた方は少し今作は残念に感じてしまうかもしれません。

また大きな相違点という部分ではストーリー全般的に異なります。ですので原作にあたるゲームをプレイせず前作を見て今作を見るという方からすればあまりにも薄く描かれている部分もあればその時に設定されていなかった部分も非常に多く描かれているので前回と同じ作品の制作会社違いというわけではなくキャラクターのみが同じである違う作品のようにかんじる方も全く少なくはないと思います。また士郎自体の戦闘シーンというものも非常に増えておりその部分に関しては非常に違和感をもってしまう方も多いと思います。

しかしストーリー性だけでは今作についても全く内容としては負けておらず逆にかつてのfateシリーズをしっかり把握していなければ今回の作品の真意は完全に理解することはできないのではないかというほど前作やfate zeroなどの伏線や部分部分の条件を上手く拾ってそれらを違和感なく表現することはできているように感じました。

個人的に感じた大きな相違点として終わり方という部分について多く感じることがありました。まず前作では最終的に聖杯戦争というものを終わらせるためにセイバー自身と士郎自身の力でこの聖杯戦争にピリオドを打つ結果となりました。その結果最も最悪と捉えていた聖杯戦争を終わらせるものも最も重要視していたセイバーという存在も失ってしまいこれからの日常に戻るというものでした。しかし今作ではヒロインである凛とセイバー、また士郎のそれぞれの力によって聖杯戦争とその影響で生まれてしまった最悪の結果である聖杯の中身というものそれぞれの問題について解決を行いその末に最悪の結果である世界の崩壊という結果を防ぎまたその代償に自分自身の姿をうつした英雄であるアーチャーとセイバーを失いました。しかし今回最も重要視しているヒロインである凛は命を落とすことなく最終的にはその後の二人の未来というものも描かれていました。この部分から前作では全ておわってしまうだけであったものの今作では多くの失うものの末に最も大事なものを守り抜いたという結果が生まれたようなアニメになっていたように感じました。

よりこの作品を楽しむためには

この作品は他の様々な作品とは違い前作であるfate　zeroという部分についての完結しなかった部分も非常に解決した作品であるともいえます。もちろんまた新しい目線で楽しむという点ではfate stay nightから実際にこのアニメを見ても非常に面白いと思います。ある意味過去の作品にかなり依存してしまうというアニメでもありますがその部分を把握しておくと非常に面白くそれぞれの展開でもそれぞれの状況を把握してより深くこのアニメを見たい場合には過去の作品についてもより深く見ておくとおりこの作品を面白く見ることができるでしょう。