ヒロインが行く道。 - 紳士同盟†の感想

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漫画レビュー数 3,136件

紳士同盟†

3.833.83
画力
4.33
ストーリー
4.00
キャラクター
3.67
設定
3.83
演出
4.00
感想数
3
読んだ人
8

ヒロインが行く道。

4.04.0
画力
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
3.5
設定
3.5
演出
4.0

目次

THE ヒロイン。

この作品で登場する学園は、お金持ちばかりで温室育ちも多い。名家の場合だと、金で学園内の地位を買収することすら厭わない。そんなのは関係ないとばかりに、元ヤンキーでも家にも売られた(と思っているが実際はそうではなかった)としても、自分で自分の道を切り開く主人公・灰音の姿は正しく、ヒロイン像を表したかのように見えた。それを多く象徴しているのが、灰音の人柄だろう。元から友人であった潮もそうであり、実のきょうだいである小牧と橘、さらには、高成と閑雅にいたってもそうであった。たとえ、型破りなお嬢様でも何といわれようと苦労しても人を惹きつけるその姿は、王道のヒロインといえるだろう。

ストーリーのバラエティさ。

なんといっても注目を集めていたのは、ストーリーの幅広さであろう。まおら(由貴)の事であったり、真栗の事であったり、本誌で連載されている作品の中であまり取り上げられなかったことがストーリーの中で構成されていた。そこに、懸念もあっただろうが、結果として結びついていることから、本作の力量がすごいと感じるところであった。その他にも灰音の母・舞加をめぐる学生時代からの恋愛模様や名家であるが故に出てくる血筋の問題など、取り上げているテーマが挑むような形になっている。作者の挑戦があってこそなのであろう。豊かに進められていったのは、見事であったと考える。

童話のような展開でも新しい。

この作品は、ほとんどの登場人物が、過去または現在進行形で、傷を負った状態でスタートし、伏線を張りつつも、その傷を乗り越えて行く展開に見えた。灰音たち学生だけでなく、灰音の養父(本当は血のつながった父)である樹たち親世代や、顧問の千里先生まで傷を抱えた状態を伏線として張り、実はこうだったのだという種明かしの部分はじっくり時間を掛けていたようなので、丁寧かつ繊細さもあり、良かった部分である。ラブストーリーがメインであるので、キャラクターごとに結ばれていくのは、これまた王道で童話のような面も持ち合わせていたように見えた。一方で、高成と閑雅の試練など、シリアスな部分はよりシリアスに対になり、悪者が出てくるようになり、キャラクターに感情移入しながら読み進めていける様も、童話を読んでいるように思えていた。(ところどころに「シンデレラ」という単語も出てきてはいた。)最後は「幸せになりました」というハッピーエンドに持っていく展開もそうであろう。このようにして、ストーリー展開を見せていただけたことに王道ともいえるのだろうが、内容のところどころに斬新さもあり、ラブコメであるが違うジャンルにも多様化されているそのような作品と分析した。

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他のレビュアーの感想・評価

最初の段階で絶対気づかない展開がおもしろい

すごく想像力が豊か種村有菜さんは本当に想像力が豊かな人だね。言葉遣いもそうだけど、世界観が変わってて、そこにファンがつく。特に海外ファンがすごい多くて有名。アニメ効果だろうか。お金持ち学校の中でも金銀銅のランク付けがあったり、コスチュームにも相当こだわっていたり、絵本の世界と現実をリンクさせるような表現を多数用いてよりドリーミーな世界をつくっている。想像力が豊かじゃないと、こんなふうには漫画を描けないと思う。たまに何のことを言っているのかわからないときもあるから、そこは思考の差なのかな。種村さんの世界がまだまだ広がっているようだ。とりあえずわかるのは、雰囲気を言葉にするのをすごく大事にしているんだろうってこと。さらには多様に張り巡らされたものを、終盤までにきれいに回収していくのがずいぶんとお上手。序盤じゃ絶対わからなくて、後半になって「あれってそういうことだったのか…!」とわかる。全体...この感想を読む

4.04.0
  • kiokutokiokuto
  • 253view
  • 3062文字
PICKUP

2人の男が1人の女性を取り合いになってしまう、という話

高成と閑雅のダークさがどんどんデレに変わっていく中等部まで人懐っこかったのに、高等部で人が変わってしまった…という入りから、双子説はなんとな~く醸し出されていました。人形と言われ閑雅が学校に通えない間の代わりとしてのみ存在している…おじいちゃん、そんな非道なことよくできるよね。孫は一人でいいってか…そして高成と閑雅の確執は暗い内容でしたね。高成が試練の球を取ろうとして落ちていくのを、ただ見ているしかなかった弟閑雅…罪悪感から、本当は誰よりも慕っているのに憎まれようと生きる…なんなんだよ。でもですね、明らかに佳境にかけて、あれだけ恨みしか見えなかった高成が、かいがいしく閑雅を介抱したりとか、それはえ?って感じでした。ちらっとでも事前に見えてればやっぱりねーって思えたんだけど、いきなり実は心の底でちゃんと想ってるんですっていう行動をいきなりやってるもんだから驚きでしたね。最終的には双子愛で...この感想を読む

3.53.5
  • betrayerbetrayer
  • 2090view
  • 3041文字

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