ドキドキワクワク、読んで損はなし。
容姿端麗、頭脳明晰なテツオとどんくさい天野
まず出てくる天野がマニアックでオタク、仕事なし、カッコ悪く読む気が失せるなぁと思っていたら、綺麗な顔のテツオが登場し読み進めようと思いました。絵も綺麗で見易い、恐い絵も上手で恐怖を増幅させてくれる。
テツオは体と心の性別が一致しないいわゆる性同一性障害なのでこれからの展開がどうなるのかも楽しみでした。しかし、テツオは容姿端麗で頭がきれ、魅力ある人物に描かれておりその分、苦悩の深さもより際立ってより話に引き込まれる。
財宝のありかは!?
幽霊塔に財宝があるといい、財宝探しを天野に持ち掛けるテツオだが、天野のどんくさいキャラが良い味出していてテツオとの対比で話を魅力的なものにしていた。天野が段々と頼りがいのある男に成長するところも面白く読めた。テツオと天野の逃亡生活も天野が女装し、キャラが更に面白くなりテツオの綺麗さがより際立ち魅了され仕方なかった。話の展開も早く読みやすく最後まで一気に読み進めました。
幽霊塔に潜入、誰が死番虫か
丸野も最初に出てきた時はとんでもない悪党だと思っていたけど、以外と良いやつだったような。テツオと丸野が手錠で繋がれ財宝にいきつくとは…。死番虫が誰かは、なかなか分からなかった。幽霊塔でもしかけで人が沢山殺され、グロい場面も多いが話は面白く最後まで読んで損はないと思う。人の心の機微がよく書かれていて、この作者の他の漫画も読みたくなる。
人の気持ちの深いところをえぐるような部分があり、色々な事を考えさせられた。テツオの何度言っても伝わらない気持ち、体と心の不一致の苦悩の言葉は至るところに出てきて、読み返すと更に心に突き刺さってくる。こんな想いをして生きている人が世の中に何%かいることを教えてくれる。性同一性障害の方が読むとかなり心に響いてくるだろうと思う。最後、天野が優秀に成りすぎたような気もするが、テツオとの再会がとてもハッピーエンドに見え読後感は清々しい気持ちになる。グロいだけの漫画では決してない。
このまんがで心に残ったセリフ、「命と金は、ムダ遣いする時が一番輝いているんだぜ」や、「たとえ一週間でもそれを(ブラジャー)つけて生きてくれたら、僕の気持ちもわかってもらえるかもしれない。だけどそんな望みは誰にも求められはしないけど…」など沢山ある。なぜこんなに気持ちを描写するのが上手なのか、私はこの作者のファンになりました。
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