もっと見ていたかった世界
皇国という世界観
サーベルタイガーとの絆、天竜との対話、水龍の群れ、翼竜とのフライト、導術士たちのテレパシー能力というファンタジー要素と戦場という組み合わせ、いいですよね。
同じ作画の伊藤悠のシュトヘルも未来からやってきた須藤という男の子が搔き回すSF要素ミックスされてましたが、皇国の方がマッチしている気がします。
ただの私好みなだけかもしれませんが。
サーベルタイガー
『猫』と作中では呼ばれていたサーベルタイガーたち。作中のなつき具合がもう可愛くて可愛くて。
その可愛い猫たちも最初は何十匹もいたのに、最後には2匹に。
人間もガンガン死んでいくから、猫たちの死にゆく姿はあまりエピソード内になく、
悲しいようなよかったような。
その分新城と千早の絆を描くエピソードは随所にあるのですが、
千早は可愛いさとかっこよさが五分五分くらいで、
獲物を狙う目が凛々しく、絶対新城を守ってくれるという信頼感を感じてしまうほどでした。
天竜のダンディーさ
天竜と森の中で出会う新城ですが、たまたま心の広い天竜だったようで、
物言いも姿や瞳も仙人のような穏やかさというか、静けさがあってステキでした。
のちに北海道から皇都へ帰る時も天竜は悠々と新城の乗る船の横を横切りながら声をかけてきてましたね。天竜もそのうち新城の虜になって千早のようになついちゃんじゃないでしょうか。
もしかしたらそういったエピソード等は原作の小説で補完されてるのかもしれませんね。
皇国の戦力確保のために、天竜にお願いに行っている新城の義父の姿も作中で少し描写されてました。
漫画は多分打ち切りで、原作の販売促進も兼ねたような尻切れとんぼな終わり方でしたから、漫画から入ったファンも多いのではないでしょうか。私もレビューを書きながら原作も読んでみようと思いました。
水龍・翼竜もロマン
天竜が来ると水龍たちが寄ってきて、水龍の群れが海面に見える。
そんなシーン見てみたいですよね。
龍が普通に存在する世界で、戦争をやってるのですが
作画のおかげか、原作のおかげか、清々しさも感じる皇国の世界。
ひとまず戦いも終わりさっぱりとした気分の時に天竜が現れ、水龍の群れを見る。
羨ましい。翼竜に乗るというのも羨ましい。
作中では戦闘や、伝令のために翼竜使いが翼竜の背に乗り、空を駆け抜けます。
大昔にそんな生き物たちがもしこの世界にもいたのなら、今いないのを恨みたいくらいです。
この作品の清々しさは、今回紹介したような、サーベルタイガーや、龍たち、導術といった今現代にない力たちのおかげかもしれません。
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