土竜の唄
カッコ良さとコメディーのバランス
衝撃のほぼ全裸の玲二のシーンから始まるインパクト!これからどんな事が起こるのだろうと思わせるスタートからコテコテのコメディーに始まり、実は結構真面目な設定だったってオチ。無茶苦茶な流れに思えるますが。潜入捜査のハプニングや過酷さや、リアルな現代取引の闇、刑事の必死さ。裏に見えるなかなか凝った設定に度肝を抜かれました。
主題歌のイメージと男の戦い
劇中に出てくるなぜか耳に残る映像と印象深い歌詞なのにおふざけ満載な唄。あの曲は絶対になくてはならない!潜入を土竜に例えた事もすごいが「根性決めれば怖くない」「潜って挙げろ」が印象的で、まさにこの映画シーンそのものを最初の段階で思わせた曲で。主題歌の「キングオブ男」は男同士の友情や女に対しても全てを守ってみせる男としてこの映画で大ヒットした、男のカッコ良さが出ている一曲。不思議と後に聞いてみると男感がコメディ&リアルな歌詞がリンクする不思議。この映画にしてこの曲!と言わざるを得ないマッチ感がたまらなく映画を盛り上げていました。
潜入捜査のリアルをコメディーで描く
コメディー感を抜きにすると、かなり現実社会に訴えかけるものがあるストーリーになっていますが。女性へ対する男性の素直な感情やその裏に隠される覚悟が垣間見られ、ふざけているように見えて心打たれる男性のストレートな感情表現。潜入操作で飲み屋に行った玲二と純奈のやりとりには、互いの意識の違いや立ち位置の違いでのすれ違いが見られたし、純奈の女心は意外にも伝わるシーンだったと思う。旬と玲二の取引情報の駆け引きシーンでは男同士の心理戦を見る事が出来て、旬の頭の良さと玲二の単純ながらにも頭フル回転な所が笑えた。裏社会に潜入出来た玲二の達振る舞いからは潜入捜査とは思えない程ハマった役に豹変しており、かなりの威圧感をだしていた。ドンの日浦のくだけたキャラもツボの1つで、最後の最後まで意外な演出に驚かされました。そもそも、生田斗真があんなにも砕けたキャラを演じる事が珍しい意外な作品で、普段の俳優イメージからは想像もできない下ネタ感やはっちゃけ感がすごく新鮮で、他キャストに関しても意外な一面の良さがすごく出ていました。最後のシーンでのゴリラ真似と、その後旬との一騎打ちでのキメゼリフのギャップがたまりません。一番印象深かったのは、結局”ボンネットに縛り付けられ走る玲二”でしたけどね。
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