This is 丁度いいオトナの恋
庶民目線のトップと言う魅力
エリートじゃない人間が登り詰めていく王道なシンデレラストーリーはやっぱり見てて気持ちがいいもの。トップであるからと特別なことを急に言い出したりするわけでもなく、普通に庶民の思いを言っていることが認められていく過程はさも視聴者が自分の思いを認めてもらえたかのように感じるのだからこの手のドラマにはスッキリ感を求めてつい毎週観て中毒になるんである。そう、私のように初めはため口に拒否反応を示していたとしても、である。
同姓からもモテた俳優陣の起用と他では見ない演出
柳葉敏郎を始め、同姓から好かれるタイプの俳優を起用することもやはり視聴率確保を担ういち要素なのではと思う。ヒロインの友人役、山口紗弥加は「白鳥玲子でございます」などで好演していたため視聴者ウケは悪くなかったと想像できる。メキシコ料理店マスター、松崎しげるのスパイス的な存在感もお気に入りとなるポイントだ。彼の切り盛りするお店がメキシコ料理店というところに違和感も全くない。これには感服。個人的な見どころとしてギバちゃんの控えめ演技にグッと来る。「アツい男」には変わりないのだが、ヒロインのボディーガードとして控えめに収まろうとする姿が非常にいじらしく萌える。
ファッション鑑賞まで
ヒロイン演じる中谷美紀は、ファッションの発信源として女性層が観ていたふしも。実際、細身のデニムをブーツインするスタイルは私も真似させてもらっていたし、放送時期が冬だったのでマフラーの色や巻き方なんかも、けっこう影響を受けた記憶がある。
丁度いいサイズ感の恋愛模様
「恋する…」とタイトルにあるはずの恋のすったもんだが、丁度良く爽やかなのである。思いが通じあったと感じてもブッチュー!で終わらないのがイイ。視聴者の内心ではそこはデレッと崩れずトップとしてかっこよく在って欲しい、けどもうちょいイチャイチャしてもよかったかも、を行ったり来たりするところ。しかし前者を取って結果的に丁度いい押し付けのない自然な二人の距離感が醸しだされた成功例ではないか。
洋楽が主題歌はけっこう当たり
国内のドラマで主題歌に洋楽を用いるパターンの印象が強いものはセリーヌ・ディオンを起用した「恋人よ」。鈴木保奈美や佐藤浩市が出演し、ダブル不倫となるがそれでも純愛を貫きたいともがく苦しい恋愛ドラマだったのだが、これも良かった。病気と闘うヒロインと対照的なセリーヌ独特の力強い歌声がドラマを引き立てた。
このドラマ「恋する…」ではエンリケ・イグレシアス「Let me be your hero」が主題歌として流れた。これは訳すと完全にギバちゃん目線の歌である。気持ちをおさえようとポーカーフェイスを続ける彼とは対照的な甘い歌声が見事に引き立て役をこなし、視聴者を大人の恋の余韻に浸らせる。
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