航空機好きから見たGOODLUCK
パイロットのカッコよさが凝縮されたドラマ!
ドラマの中ではキャプテンの香田やジェーンや同僚の安住など多くのパイロットがレギュラーで出ている。特に香田は新海と何度もフライトを共にしている。香田のフライト中やフライト後の言葉には現役のエアマンにも響くような言葉がたくさんあり、航空業界の厳しさや苦労を思い知ることができる。だからこそ、彼らの姿はカッコよく見えるのではないであろうか。言葉だけでなく判断一つでシップから降ろされたという描写もある。キャプテンの香田と新人の新海の違いは判断力と決断力だと思う。香田の決断には感情が一切排除されていて冷静な決断を素早く下す。一方で新海は感情に流され判断を急ぎすぎることも判断を躊躇することもある。その香田が、緒方家に毎年一定額送っていたというのがこのドラマの面白さである。香田も人であり、どんなに冷静、冷徹であっても時には理にかなわないこともするというのが面白い。
B747-400が出てくる楽しさ
GOOD LUCK!の主人公の新海副操縦士はANAで操縦士として働いている。ドラマの中で登場するのは主にB747-400であり新海もこの航空機で操縦している。B747は現在では燃費の問題や輸送効率の悪さから引退してしまった機種ではあるが(政府専用機やカーゴでは使われている)、飛行機の大量輸送を象徴する航空機であり大変人気の高い機種だ。私自身飛行機好きとしてもこの航空機が作中に使われていたことに興奮した。ドラマの中では飛行機がテイクオフするシーンがたくさん見ることができてそのような点も評価できる。
淡い恋愛模様を描くヒューマンドラマ
主人公はパイロットで恋人はCAかと思いきや整備士というのがこのドラマの他にはない良さである。その整備士が飛行機嫌いで最後に飛行機に乗ることができるというのも設定として独自性があって個人的にはかなり面白かったと思う。たびたびドラマの中で東京の下町がロケ地として使われていて、近代的な乗り物に乗る主人公の新海とのコントラストが何とも言えない味を出しているように思う。整備士の緒川との食事のシーンがお好み焼き屋など航空業界の華やかな世界とあえてONとOFFの差を生み出している効果が巧みだと思った。父の仕事が船乗りで実家が昔ながらの下町の家という設定であるのも同じ理由であろう。実際の航空業界を見てみるとパイロット同士はドラマの中ほど同じシフトにはならないし、CAのメンツも初めましてということも多いそうだ。やはり、ドラマの中程密な関係になり皆顔見知りというほどではないそうだ。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)