傑作ではないが笑える前半部が魅力 - おつむて・ん・て・ん・クリニックの感想

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傑作ではないが笑える前半部が魅力

4.04.0
映像
3.5
脚本
4.5
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

独創的な展開

ベストセラーを出したばかりの精神科医の休暇前に、友人の精神科医から引き継いだ患者が、休暇先までおしかけてきて、家族と交流していくという物語でした。純粋無垢なこの患者ビルを家族は気に入るのですが、医者の方はというとだんだんだんだん、イライラしてきて、それが局地になり、最後は殺そう!ということにまで発展するのですが、これも治療と思った純粋で素直なビルは、がんばってその窮地を脱出し、その爆薬が家を吹き飛ばしてしまい、医者がおかしくなるという、いわばはちゃめちゃに近い展開にまで発展するなどストーリーが独創的でした。最後に、ビルが自分の妹と結婚して、その怒りでまた復活するという流れもついてきて・・・・・・

純粋な一途さがストーリーを進め笑わせる

最初の5分ぐらいは「おもしろくないかな」と正直思いました。でも、この患者ビルがとにかく、純粋にかつ一途に、医者に会いたくて、その居場所を聞きつけるためにあの手この手を打ち始めてからは、もう結構、抱腹絶倒です。一途さの怖さ、おかしさが、画面から溢れ出るようです。そしてそれに困ってしまう常識人である医者。私たちもほとんどがこの医者の立場に共感できるんでしょうね。他人事だから笑えますが、自分にこんな患者がやってきたら、もはや、一転、笑いどころではなくなります。怖いし、腹たつし、殺意を覚えるというのもうなづけます。こういう患者には「おまえ、わざとじゃないだろうな?」と言いたくなります。

中盤以降にもっと工夫があれば傑作になった

医者の休暇先での交流は比較的落ち着いて見ることができましたが、全体を通してみると、中盤からもう少しひねれたかな、と思わないでもないですね。映画をもっともっと短くして、笑いをもっともっと詰め込むことができたはず。患者ビルの家族をもっと巻き込んだりとか。

また、やたらテレビ出演が伏線のように登場人物たちによって知らされたり、またサプライズパーティーもしかりで、この二つの事件はさほど、物語にとって大きな役割を果たしていないことが、今、一つ理解できなかったです。もっとも後者があったからこそ、患者ビルは医者の妹と出会うことができたわけですが。まあ、でも期待せずにみれば正直、おもしろい、よかったと思えます。

俳優陣も申し分無いですね。大げさな演技をする人が一人もなく、みんなある意味謙虚に演技してもらっていて、スムーズです。惜しむらくは中盤のゆったり感。

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