スタジオジブリ作品の原点といえるでしょうか!? - 太陽の王子ホルスの大冒険の感想

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太陽の王子ホルスの大冒険

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スタジオジブリ作品の原点といえるでしょうか!?

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ストーリー
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声優
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音楽
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目次

オープニング曲に!

オープニング曲で制作に関わったスタッフが紹介されており、時代を感じさせる作りの劇場アニメです。

しかし、紹介されているスタッフに驚きの人物の名があり、意外性は抜群でした。

宮崎アニメでお馴染みの宮崎駿さんです。本編を振り返れば、作画のイメージや、冒険活劇という内容は「未来少年コナン」「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせるものがあります。宮崎駿さんにとっても、アニメ制作の原点といえる作品であったのは間違いないと考えられるのです。

劇場公開されているのは1968年で、約50年前のアニメ作品といえます。

そう考えると宮崎駿さんもそうですが、オープニングに名を連ねていたスタッフは、現役から引退されているか、相当のご高齢であると考えられます。当時は若手だった宮崎駿さんも、現役引退を発表されており、感慨深いものがあります。オープニングをみるだけで時代の移り変わりを感じることができます。

物語冒頭からの方向性

主人公であるホルスが、岩の巨人モーグに刺さった剣を抜くところから物語は始まります。

それだけで、物語の方向性や展開を予想できるものがあり、分かりやすい内容であると考えられます。そして、動物や魔物、悪魔の存在は、子供をターゲットにして制作されていることも明確です。ホルスが成長して、太陽の剣が本来の姿になることを期待させますので、脚本の作り方は、良い煽り方をしているのではないでしょうか。

物語冒頭から、時代背景や場所、世界観、方向性が、とても明確に示された作品といえるのではないでしょうか。親切で丁寧な物語の作り方であり、子供をターゲット層に設定されていることにも整合性があります。

方向性をしっかり示すことで、先の展開を期待させる手法は、作品自体の面白みを増幅させるものだったと考えられます。

本編では、どうして岩の巨人モーグに太陽の剣が刺さっていたのか、明らかにされていませんでした。

きっと、岩の巨人モーグは、ホルスの存在を待っていたのでしょう。ホルスというよりは、太陽の剣を抜くことができる勇者の存在を待っていたのでしょう。そして、それまで太陽の剣を守る役割を担っていたのではないでしょうか。

また、現れた勇者に課題を与える役割もあったのだと考えられます。

あれだけ深々と刺さった剣が、簡単に錆びたりしないと思うのです。敢えて、太陽の剣を鍛えるという課題を勇者に与え、成長を促そうとしたようにも受け取れます。

岩の巨人モーグも、先代勇者や剣の創造主に、太陽の剣を託された存在だったと考えられます。

そう考えると、岩の巨人モーグは、本編では存在感が薄いですが、その役割は非常に大きなものだったと考えらます。まさに、物語の縁の下を支えた大きな存在だったと言えます。

物語要点を考える

アニメ全編を観通したとき、主人公ホルスの成長は、物語の要点とはいえません。

むしろ、主人公ホルスは、元より強い存在で、大きな成長もしていない存在だといえます。誠実で優しく、強い印象は、物語冒頭からありました。また、キーパーツだと思われた太陽の剣も、村人の力を合わせて鍛えられましたが、そのプロセスは単純なものでした。

主人公ホルスの存在に、物語の要点や、メッセージ性を感じられないのです。

物語の要点は、主人公でもないし、村人でもありません。当然のことながら、悪魔グルンワルドでもないでしょう。村の中では、権力争いや協調性という要素が描かれていました。そして、それにより、太陽の剣が鍛えられて本来の姿になりました。しかし、それが一番の要点だったのか、と考えると違う気がしてきます。実際には、実は太陽の剣の存在がなくても、悪魔グルンワルドを倒せたように思えるためです。

消去法で考えていくと、悪魔グルンワルドの妹として登場したヒルダの存在が浮上してきます。

確かに、アニメ本編においても、ヒルダに焦点が当てられた時間は長かったです。そして、ヒルダ自身が、主人公のホルスを選ぶのか、悪魔グルンワルドを選ぶのか、それを決断したことが勝敗のカギだったのだと考えられるのです。

そして、ヒルダの中には、良い心と悪い心が存在し、それぞれの葛藤が描かれていました。

良い心が悪い心に勝ったことで、ヒルダは悪魔グルンワルドへ協力することを止めているのです。極端に死ぬことを恐れるヒルダ、醜い権力争いを愚かだと捉えるヒルダが、悪い心の源でした。しかし、主人公ホルスの存在があり、影響を受けることで、人間の良い部分にも気付くことができたのではないでしょうか。

ヒルダの葛藤が、物語における最大の要点だったのだと考えられます。

ヒルダの葛藤

物語における最大の要点だったからこそ、制作スタッフのメッセージ性も、そこにあると考えられるのではないでしょうか。

誰だって、死ぬことは恐怖なのだと思います。また、人間同士の争いにおいても、現実社会では、繰り返されてきた歴史といえます。ヒルダという登場人物を通して、人間という存在を客観視した作品と考えることができます。

ただし、悪い部分だけではありません。

当然のことながら、良い部分もあり、アニメ本編から抽出すれば、協調性や活気が良い点として描かれていたように思います。そして、良い部分も悪い部分も、それぞれの人間の個性に委ねられており、ヒルダと同じように事実を受け入れることが、作品におけるメッセージ性だったのではないでしょうか。

良い部分も悪い部分も受け入れ、事実として認識しなければならないでしょう。

そうしなければ、人間社会における様々な問題に、抜本的な解決が望めないでしょう。

子供に向けられたメッセージ性が垣間見えますが、メッセージ性だけをみれば、子供だけではなく大人にもいえることだと考えられます。むしろ、そんな社会の実現をしなければならないのは、子供ではなく、大人の方だといえるのではないでしょうか。

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