昆虫物語 みなしごハッチのあらすじ・作品解説
昆虫物語みなしごハッチは、1970年4月から1971年12月までフジテレビで放送されたタツノコプロ制作によるアニメーション作品である。その後、昆虫物語新みなしごハッチが続編として1974年4月から9月、リメイク版が1989年7月から1990年8月まで放送されている。 登場人物はミツバチの国の王子であるハッチ、ママ、妹のアーヤ、ハッチの義母にあたるシマコハナバチのおばさん、悪役のカマキチおじさんなどがあげられる。 ある日スズメバチの大群に襲われてしまったみつばちの城。唯一生き残った卵から産まれたハッチはシマコハナバチのおばさんにおばさんのこどもとして育てられる。しかし自分の母親がどこかで生きていると知ったハッチは一人で母親探しの旅に出るという冒険ファンタジーである。 旅の途中で昆虫たちと出会い、時に生存競争の世界で起こる生き物たちの生態をも目の当たりにする。そんな中でも母に会いたい一心で旅を続けていく物語である。
昆虫物語 みなしごハッチの評価
昆虫物語 みなしごハッチの感想
子どもたちの情操を養う役割を担った作品
メルヘンアニメとは言うけれど本作品はタツノコプロのメルヘンアニメ代表作と称されている。メルヘンというとほのぼのとした印象を受けるが、本作品はその肩書に似合わず非常に厳しいストーリーが展開されていく。主人公や登場する昆虫たちが幾度となく死と隣り合わせの出来事に遭遇していき、命を落とす場面も数多く描かれている。しかし子供たちの情操を養うとても良い作品である。ここではそのことを考察していく。 ストレートな表現まず、タイトルに「みなしご」という言葉が使われていることである。本放送の1970年代当時はそれほど意識されていなかったかもしれないが、今ではこの言葉は差別用語として使われなくなってしまった。その証拠に、2010年に公開されたハッチの映画のタイトルは「みつばちハッチ」となっている。また、差別を連想する言葉についても当時はこの作品に限らずストレートに発せられており、再放送時にはその部分の音声...この感想を読む
己の立場と生き方
アニメの世界だけに現実離れした設定ではあるというのが第一印象でしたミツバチの世界にそういう親子関係が存在するのかなという不思議女王蜂の存在は知っていても途中その座を奪われる事があるのかという事柄ですがこのお話しはそういう生体よりもストーリーの内容に注目してほしいと作られたものだと感じます。この時代のアニメは伝えたい物が明確であったと思います。小説ですと文から己の頭で映像を想像していくので人によって違う現象がおきますがアニメですと視覚からも捉えられるのでその時の状況やキャラクターの心境がより明確に伝わってきます。女王としての立場、わが子がそこにいるのにという母親の立場母親が見たら心痛むシーンであると思われます。本来なら王子という立場で周りから守られていたのに放浪の旅をする事となったハッチ途中何回も合えたかもしれないと言う場面がありせつなくなります。危機に瀕する事はあっても頑張る姿に自分も...この感想を読む