美人三姉妹という華やかさ
三姉妹といえば・・・
三姉妹という設定を他作品で思い浮かべた時、「みつどもえ」というアニメ作品があります。
「みつどもえ」は三姉妹とはいえ、三つ子という設定であり、当作品とは、年齢・学年設定が異なります。主人公の三姉妹が全員、小学生である「みつどもえ」と当作品では、明らかに見た目のイメージが違います。三姉妹という設定は共通していても、小学生・中学生・高校生と綺麗に世代が割り当てられており、「みつどもえ」とは色分けされているコンテンツといえます。
また、長女である女子高生の春香(はるか)の存在は、アニメ本編そのものが華やかになります。
春香の存在は、「みつどもえ」には皆無である色気要素であり、個人的な感想としては、当作品の方に好感がもてます。春香という女性キャラクターは、女性としての一つの理想像なのではないでしょうか。おっとりとした優しい雰囲気を醸し出し、天然系のように思えます。しかし、長女という姉妹の役割から、しっかり者で、家事・洗濯・料理ができます。お嫁さんにしたら、最高の女性像のように思います。現実社会では、存在するのか怪しいくらいの理想的な癒し系キャラクターといえるでしょう。
個人的な好みでいえば、三姉妹の中で、春香が好きです。
しかし、三姉妹の個性はバラバラなので、人気投票をした時には、綺麗に三等分に分かれそうな気がします。それだけ、次女である夏奈(かな)、三女である千秋(ちあき)も魅力的なキャラクターだと思います。
また、当作品には、ご両親の存在が描かれていないのが印象的です。
「みつどもえ」においては、父親の存在が描かれ、父親の個性も強いものでした。父親の存在があることで、親子愛・家族愛が強く打ち出された内容だったように思います。しかし、当作品にそれを当てはめた時、親子愛・家族愛というより、姉妹愛です。
同じく三姉妹を主人公に描いた「みつどもえ」「みなみけ」ですが、全然印象が違い、類似点がないように感じられます。
画風の切り替え
作画・アニメーションにおける特徴として、意図的に画風を切り替えてくる描写があります。
画風を切り替えるアニメは他にもありますが、当作品においては、登場人物たちが真剣になっている様子を強調する場面に用いられています。それぞれ、人物の「真顔」を強調する場面に、画風を切り替え、顔面アップのシリアス調な画になっていました。
他コンテンツでは、画風の切り替えは、笑いどころの強調で用いられることが多いように思います。しかし、当作品では、特に笑える場面で、その手法が使用されているようには感じられません。
アニメーションにおいて、新しい表現方法にチャレンジしていることが伺えるのではないでしょうか。
面白い前書き
アニメ番組のオープニング曲の始まる前に、少しウケ狙いの前書きが挿入されています。
「この物語は、南家三姉妹の平凡な日常を淡々と描く物です。」
「過度な期待はしないで下さい。」
「あと、部屋は明るくして、TVから3メートルは離れて見やがって下さい。」
アニメ本編が始まる前から、過度な期待をしないように促すことで、内容や笑いにおけるハードルを下げているのが印象的です。ギャグアニメではないように思わせておいて、実はギャグアニメです。過度な期待をしないように促しているのは、フェイントなのです。
そして、「面白い」と煽ることで期待値を上げる表現に、「ハードルを上げる」というものがあります。それとは、逆に、過度な期待をしないように促していることで、「ハードルを下げて」いるのだと思います。
そして、ハードルを下げておいて、「見やがって下さい」と可愛らしい女の子が乱暴口調で話す台詞は、笑わせる意図を大いに感じられる部分です。チグハグな前書きで、観る者をアニメ本編に惹き付けているのではないでしょうか。
アニメ本編が始まる前の挨拶として、軽いウケ狙いで観客を温めているように思います。
「冬」がない!!
それぞれ主人公の三姉妹に、季節の名前が割り振られています。
長女の春香、次女の夏奈、三女の千秋と、春・夏・秋という季節が入っています。名付け親としては、凄く高いネーミングセンスを感じさせるポイントだと思います。自分が名付け親となった時、こんな素敵な名前を考え付くことができるでしょうか。
特に、センスが高いと感じられるのは、しっかり時系列になっていることです。
長女は春で、次の季節は夏なので、次女には夏の字が入っているのです。そして、夏の次には、秋が訪れますので、三女には秋の字が入っているのです。名前だけでも、これだけ考えられていることに驚きです。もう一人、四女の存在が居たなら、確実に「冬」の名前が入った名前が付けられていたことでしょう。
そして、それぞれの季節は、それぞれのキャラクターの性格まで表しています。
ほのぼのとした春を感じさせる、おっとりとした春香。
元気いっぱいで夏を感じさせる、活発的な夏奈。
冷静沈着で落ち着いている、ツンデレ系の千秋。
もし、「冬」の名前が入った四女がいたなら、千秋より、もっと冷たい印象の女性キャラクターだったことでしょう(笑
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