伏 鉄砲娘の捕物帳のあらすじ・作品解説
『伏 鉄砲娘の捕物帳』は、2012年10月20日に東京テアトルの配給で公開されたアニメ映画である。原作は、2010年に文藝春秋から刊行された桜庭一樹の小説『伏 贋作・里見八犬伝』である。監督は宮地昌幸が務め、アニメーション制作はトムス・エンタテインメントが行った。なお、このアニメ映画は文藝春秋創立90周年記念作品に当たる。 物語の舞台は、人と犬両方の血を引く「伏(ふせ)」と呼ばれる化け物が暗躍している江戸の世である。「伏」は人の生魂を喰うと噂されているため、人々は恐怖しており、江戸幕府は「伏」の命に高額の懸賞金をかけた。 主人公は、猟師として祖父に育てられた14歳の少女・大山浜路(おおやま はまじ)である。彼女は陸奥の山奥で祖父と暮らしていたが、祖父が亡くなったため、江戸で伏狩りをしている兄と暮らし始める。そして、浜路は兄の伏狩りを手伝うようになる。『伏 鉄砲娘の捕物帳』は、浜路と「伏」の不思議な関係を描いたアニメ作品である。
伏 鉄砲娘の捕物帳の評価
伏 鉄砲娘の捕物帳の感想
スタジオジブリ作品の影響!?
個性の弱い登場人物たち「伏 鉄砲娘の捕物帳」主人公の大山 浜路(おおやま はまじ)をはじめ、他の登場人物に至るまで、キャラクター個性が抑えられている印象をもちます。特に、江戸時代をモチーフにしていながら、ファンタジー要素を打ち出した内容です。ファンタジーな世界観を描いたアニメ作品で、登場人物の個性を抑えられていることが斬新だと感じました。主人公の名前が、苗字と名前で構成された一般的な名前です。少し男っぽい名前のようにも感じられますが、横文字の名前ではありません。また、江戸時代をモチーフにしているのであれば、苗字を名乗ってよいのは武士階級のみです。敢えて、苗字を入れて主人公の名前を命名されている事実は、現代社会における「一般的な」日本人の構成を取り入れる意図が感じられます。ここで強調したいのは、「一般的な」なのです。意図的に、一般的にすることで、強い個性を打ち出さないようにしていることが伺え...この感想を読む