元気をもらえる爽快なロックがいい! - ストリート・オブ・ファイヤーの感想

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元気をもらえる爽快なロックがいい!

4.84.8
映像
4.2
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

迫力のライブシーンが見所

映画には、出来事や事件によって、その世界に引き込まれることが多いですが、「ストリート・オブ・ファイヤー」は、歌によって映画の世界に引き込まれていきます。特に、ライブ会場で歌うエレンの歌声は、目も覚めてしまうような迫力のロック。この映画がいかに歌や音楽に力を入れて作っているのかがわかります。力強いエレンの歌声はエレン1人ではなく、吹き替えによって実現しています。

通常の映画を観る感覚ではなく、歌を楽しみながら、映像を同時に楽しむスタンスで観れば、テンションもあがり元気が出てくる映画に間違いないでしょう。今の時代には、このような映画はなかなかみることができない貴重な映画です。

名優になったウィレム・デフォー

この映画で出演しているエレンをさらっていくウィレム・デフォーは、後に様々な映画で活躍している人気の俳優となっています。ここで演じた悪役レイビェン役では、独特の雰囲気で存在感のある演技がみられますね。二枚目ではないのだけれど、一回みたら忘れられない俳優さんの一人。特に「ストリート・オブ・ファイヤー」では、若かりし彼の映像が見ることができるので、ぜひチェックしてみてください。

私自身、ファッションの事にはあまり詳しくないのですが、レイヴェン役で登場する彼の洋服は、とっても個性的です。一見すると、魚屋のお兄ちゃんとしか見えません。あらためて、レイヴェン役の装いチェックすると、映画「ストリート・オブ・ファイヤー」が違った角度からみることができます。

ストーリーは明快で単純

歌やライブを堪能させながら、ストーリーが展開していきますが、はっきり言ってストーリーは、単純で明快となっています。悪者にさらわれた、元恋人を助けに行くだけの単純明快な物語。奥深い人間の気持ちは、あまり描かれる事無く進んでいきます。

ただし、ドラマチックな部分として見逃せないのが、元恋人エレンとトム・コーディの恋愛模様です。観客の立場からみると、元恋人を助けたのだから再び恋心が蘇り、そのままハッピーエンドとなり、結ばれる2人を想像してしまいますが、映画の中ではそう上手くいきませんでした。ここの部分だけは、観客の思いを上手く裏切った、結末です。特に、男前で甘いマスクのマイケル・パルが、エレンとよりを戻さずに「君の付き人になる男じゃない」とかっこよく立ち去っていくのですからなおさらです。「ストリート・オブ・ファイヤー」の主演を務めたマイケル・パレもこの映画で人気がでた俳優の一人です。

 

ボディガードと似ている?

この映画の出だし、舞台からエレンが悪者にさらわれているシーンは、映画「ボディ・ガード」と似ている気がしませんか?その後の展開と内容は少し違っていますが、最後の主人公がちょっぴり恋心を残しながら、カッコよく立ち去る場面も似ていると思います。年代的にみると、こちらの「ストリート・オブ・ファイヤー」の公開が、「ボディ・ガード」よりも8年も前となっています。根本的なストーリーは、全く違うのですが、舞台で歌う2人の歌姫が、私の中ではダブってしまいます。二つの映画を比べてみてもいいかも知れません。

 

不思議な感覚の時代

「ストリート・オブ・ファイヤー」の街や時代背景は、異空間の様な不思議な感覚があります。夜の景色が多く、道路や街もひと昔前の風景。それと同時に、若者達がグループを組んで、エレンを拉致してしまいます。これは、かなりの悪い奴らだと思うのですが、不思議な事に、悪い事を正面切ってやっている人達というのは、真の悪者には見えないと思いませんか?

確かに、レイヴェンは、この街では知られた悪党なのですが、エレンに乱暴を働くわけではありません。大好きなエレンを自宅に連れ込み、監禁したのに、それだけで、彼女を傷つけない彼の心意気には驚かされました。表面的な悪さというのは、奥深い悪さを感じさせません。その反対に、いつもは、人の良い顔をしている人間が、悪事を働くと、真の人間の悪さを感じます。「ストリート・オブ・ファイヤー」は、ドキドキさせるストーリー展開ではありますが、死人もでることなく、真の悪さでいやな気分になることもなく、迫力ある歌とアクションですっきりと心地よくしてくれる物語に仕上げています。この点が、人気となり興行成績もよくなった要因なのでしょう。こういう爽快で心地よい映画は、何度も見たくなってしまう映画です。

 

相反する女エレンとマッコイ

作品の中で登場する女性、エレンとマッコイ見かけも中身も相反する女性。しかし、どちらの女性もとっても魅力的に描かれています。エレンは美しく、女らしい色っぽさを漂わせます。その反対に、マッコイは男かと見間違うような風貌、それなのにとっても魅力的な女性に映ってきます。最後のマッコイとトムが去って行くところでも、2人の中に何かがあるのか?と思わずにいられません。「好みじゃない」というマッコイのカッコ良さも一品ですね。どの場面でも、ラストの捨てゼリフは逸品となっていますので、ぜひ見逃さないようにして下さい。

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