「ARIA The ANIMATION」レビュー
サツバツとした今の時代にこそ観てほしいアニメ
「テラフォーミング」や「惑星間航行技術」といったことが行われる未来、マンホーム(地球)での生活は不便なく過ごせる・・・というより普段の生活でほとんど自分でなにもしなくても過ごせる便利な時代。それよりもなんでも自分で行動して自分の足で歩く、そんな生活にあこがれてアクア(火星)に移住した灯里ちゃん。そこでウンディーネとなっていろいろな人々と出会って成長していく、そんな彼女の姿と彼女の視線を通してみるアクアの不思議がつまった魅力満載の物語です。
個性的で魅力的なキャラクターたち
灯里ちゃんを取り巻くキャラクターたちも魅力的です。ウンディーネの師であり、時には母のように姉のようにいつも見守っているアリシアさん。どこでも一緒(?)、歩く癒しアリア社長。ひょんなことから出会ってから、灯里の大親友になったアイちゃん。共にウンディーネとしての腕を高め合い、人としてもお互い影響しあって成長する、親友でありライバルでもある藍華ちゃんとアリスちゃん。ウンディーネの大先輩であり、灯里ちゃんがひそかに憧れるグランマ。他にもアリシアさんの親友の晃さんやアテナさん、ちょい役だけど登場するたびにいい味を出してくれる郵便屋のおじさん。そして不思議代表のネコの王様ケットシー(12話でシルエットのみ)と本当にいろんなキャラクターがいろんなメッセージを抱えて登場し、灯里の(同時に視聴者の)人生観と心に訴えてきます。
心にダイレクトに響くメッセージ
各話、本当に人生観に訴えるメッセージが込められています。たとえば、第3話「その 透明な少女と・・・」でアリスちゃん登場ですが、この子は元々営業スマイルが苦手で灯里ちゃんと出会って、その自然に溢れる笑顔に魅了されます。その笑顔の秘密は・・・とアリスちゃんなりに解釈して自分もそんな魅力ある笑顔をいつのまにか浮かべることができるのです。あと第9話「その 星のような妖精は・・・」でグランマにウンディーネとしての技術の教えを請いに行きますが、最後にウンディーネとしての心得という名の「人生の心得」を教えてもらいます。この他のお話もとても魅力に富んだストーリーで、それぞれメッセージを押し付けることなく「こんな考え方もあるよね」といったふうに優しい感じで示してくれます。
ストーリーを彩る歌
最後に「歌」です(笑)。でもとても物語の雰囲気にぴったりの歌ばかり選曲されてると思います。ちょっとしたことかもですし、個々人の好みもあるかもですが。オープニングはその名も「ウンディーネ」です。この優しい世界観にピッタリの曲調で、まるで大好きな絵本の表紙をめくるような気持ちになります。エンディングは「Rainbow」です。こちらは少しアップテンポ気味な曲調ですが、エンディングなのでやや寂しい気持ちになってしまいますが(汗)。他にも挿入歌ありますが、何れも世界観に自然に溶け込むような素敵な曲ばかり選ばれてますね。その上アテナさんのカンツォーネがさらに世界観を引き立ててくれます。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)