いかにもだけど、面白い。 - フォーチュン・クッキーの感想

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いかにもだけど、面白い。

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

何度でも見たくなってしまう。

思春期真っ只中の娘と、その母が入れ替わってしまうコメディー。ありがちな設定かと思いきや、娘のアンナを演じるリンジーローハンの演技力に惹かれ、最後まで一気に見れた。若いながら中身が母親になってしまうという、自分よりもはるかに年上の母親を見事に演じきったと思う。

2003年の映画だが、今見ても、何度見ても新鮮だ。

家族のカタチ

喧嘩が多かったアンナと、ジェイミーリーカーティス演じる母親のテス。入れ替わりをきっかけに、お互いの気持ちや立場、大変さを徐々にわかっていく。

アンナの高校での嫌がらせをうけるシーンにはかなり共感できた。親には言い出せず、またきっと信じてもらえないだろうという諦めから、相談もできなかったであろうアンナ。また昔アンナの親友だった、ジュリーゴンザロ演じるステイシーの悪女っぷりはいつ見ても憎めない。いかにもアメリカンハイスクールに必ず居そうな、勝ち組の意地悪女を完璧に演じきっている。娘と入れ替わり、ステイシーからの嫌がらせを母親は目の当たりにし、仕返ししてやろうと奮闘する母親。

また、母の体で仕事に行かなければならなくなったアンナは、母親のカードでやりたい放題。だが、徐々に母の再婚予定のフィアンセがどんな人かや、喧嘩ばかりの弟が自分のことをどう思っているかを知っていく。特に、普段生意気な弟が姉がどんな人かを学校で発表するシーンはジーンときてしまった。

恋愛も、友情も。

反対されていたバンドのオーディションに、バンドメンバーが中身が母親のアンナを半ば強行突破で連れ出す。

ここが一番好きなシーンで、ギターが弾けない母親だが、急いで駆けつけたアンナに助けられ、ステージは大成功。バンドメンバーとも和解する。このシーンは何度も見返してしまう。

ここで母親は音楽の楽しさをようやく知り、アンナへの理解も深める。一方でアンナも、母親の再婚についての素直な気持ちを話す。

互いの気持ちを言葉に出し、理解し合った瞬間元に戻れた2人。

現実には入れ替わりはありえないことだが、入れ替わったかのように、相手の立場に立ってみたり、また互いを思いやるだけじゃなく、素直な思いも言葉にして伝えることが大事だと映画から改めて感じ取れた。

人がどう考えているかなんて最後までわからないかもしれないが、相手の立場になってみると見えてくることや理解できることがたくさんあるはず。

このレビューを書きながら、またこの映画が見たくなってしまった。

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その他多数の「入れ替わり物」とは一線を画す作品

秀逸な一人二役が見所思春期・反抗期まっさかりの娘アンナと、いささか頑なな性格ながらも教育熱心で自らは精神科のドクターという母親テスが、ひょんなことで中身がいれかわってしまう「僕がわたしでわたしが君で」のような話だが、これはそういったコメディとは一線を画した作品のように思う。もともとこれは昔ジョディ・フォスターが主演した映画のリメイクだが、リンゼイ・ローハンはまた違った現代的なアンナを、パワーいっぱいに熱演している。彼女はこの作品以降、あまりいい噂が聞けなくなってしまった。演技力もあったし、若さゆえのかわいらしさもあったのに、まったく残念。またどこかで見ることができたらいいのに。ともあれ、入れ替わってしまった二人はなんとか元に戻ろうとするんだけど、なかなかうまくいかない。そのうえ、母親のテスは婚約者と結婚を控えているのである。外見はテスでも中身はアンナ。このときのアンナの気持ちを考えると...この感想を読む

3.53.5
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