最遊記に類似したアニメ作品
原作がエニックスコミックの両作品
描いている内容から、登場人物、メッセージ性において、「幻想魔伝 最遊記」と似ているアニメ作品である印象です。当てはめていくと、驚くほど合致している部分が多いよう感じさせます。
意図的に似せた、というより、結果的に似てしまった作品なのではないでしょうか。「幻想魔伝 最遊記」と「破天荒遊戯」という作品タイトルからも「遊ぶ」という類似性を感じさせる気がします。またエニックス系の月刊誌で連載されていたマンガが原作である、共通項も存在します。連載されていたコミックが同系統であれば、意図的に類似させる目的もないのではないでしょうか。
ひょっとしたら、「幻想魔伝 最遊記」の人気が高かった為、意図的に印象を寄せにいった可能性もゼロではないのかもしれません。しかし、同系統のコミックで類似させることは、あまりにも類似させていることが見え見えであり、読者や視聴者も気付いてしまうのではないでしょうか。意図的に似せた、という点は以上のことから可能性が薄いようのではないでしょうか。
主人公ラゼルの存在
この主人公ラゼルが「最遊記」登場人物の悟空を彷彿とさせるのです。性別は両者で違いがありますが、どちらも猪突猛進タイプである性格に類似点があります。また背が低いという特徴も一致しており、旅をしていく仲間たちの中で幼い存在です。そして、幼い存在であるにかかわらず、旅をする仲間たちと遜色ない戦闘力を備えている点も似ています。
キャラクター自体は相違しており、ラゼルはツンデレ系であるのに対して、「最遊記」悟空は天然系です。ただ、食い意地が張っている部分は似ています。
アルゼイドという毒舌キャラ
「破天荒遊戯」では、主人公ラゼルがアルゼイトに出会うことで、物語が始まっていきます。そして、「最遊記」でも三蔵と悟空が出会うことにより、物語が始まっていきます。この部分は類似していないでしょうか。
そして、このアルゼイドという人物は、「最遊記」三蔵と印象がとても重なります部分が多いように思います。まず見た目という観点では、明らかに相違しており、外見の類似性は感じられないのですが、毒舌キャラクターであることは類似点ではないでしょうか。また、銃を主な武器としている点も同じであり、外見は全くの別物ですが、キャラクター性における部分では共通していることが多いように思います。この場合の比較では、ラゼルと悟空よりアルゼイドと三蔵の方が、類似点が多いように感じます。
沈着冷静であることも類似点ですし、旅の仲間の中で、暴走を抑制させる役割を担っている点も同じです。また悟空・ラゼルの監督係になっている点も印象が重なり、外見以外の部分では重なる部分が多いのではないでしょうか。
軟派キャラのバロックヒート
アニメ作品の中で、「ひーたん」と呼称されている登場人物です。彼においては、「最遊記」の中で類似する人物を当てはめるのが簡単なのではないでしょうか。「最遊記」沙悟浄の印象と重なることが多いように思います。
特に「女好き」という強烈なインパクトが、どちらのキャラクターにもいえる共通項であります。それだけでもインパクトが強烈であり、両者が類似していることを説明する材料といえます。ただ他に例を挙げると、「女好き」という部分に通じるかもしれないですが、本能に素直なキャラクターであることでしょうか。また、仲間想いである点においても、バロックヒートと「最遊記」沙悟浄で印象が重なる部分のように思います。
外見での類似点はほぼ皆無ですが、キャラクター性では印象が重なる部分が多いのではないでしょうか。
あと一人…
「最遊記」は四人チームで旅をしていく物語です。しかし、「破天荒遊戯」は三人で旅をして、物語が進行していきます。ここまで進めて、「最遊記」猪八戒に該当するような登場人物はいないのか、と思っていました。
しかし、アニメ作品の終盤に登場した人物に「最遊記」猪八戒を見付けることになりました。それは、主人公ラゼルの義父であるセラティード・アナディスです。
前述のように、「最遊記」みたいに四人で旅をする展開はありませんでしたが、細い目の印象が重なります。また、精神年齢という点で、落ち着いた印象があるセラティード・アナディスと「最遊記」猪八戒で似ている気がします。また、「最遊記」では猪八戒と沙悟浄の絆は深く描かれていますが、セラティード・アナディスと「最遊記」沙悟浄に似ているバロックヒートとは兄弟であるという関係が明らかになり、両作品のそれぞれの登場人物との関係性が似ているのではないでしょうか。
描いている内容とメッセージ性
「破天荒遊戯」「最遊記」では、テーマに掲げられていることやメッセージ性も似ている部分が多いように感じさせます。
「破天荒遊戯」第2話で、殺すなら殺される覚悟をもつ、というメッセージ性がありました。しかし、これは「最遊記」三蔵が口にした印象的なセリフでもあります。
また、第3話では単独行動してしまう主人公ラゼルに対し、アルゼイドが「なぜ『付き合ってくれ』の一言がいえんのか」というセリフがあります。素直に仲間に助けを乞う心の有りようを示すものであり、同様に、旅していくことで物語が展開していく「最遊記」に通じるものがあります。
また継ぎはぎで呪われた命、化け物、その命を殺める倫理性といった部分でも類似しているところのような気がします。
以上の点で、アニメ「破天荒遊戯」「最遊記」は似た要素の多い作品に思います。それぞれの作品、改めて見直してみると、もっと多くの類似点が見つかるかもしれませんね。
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