虹色ほたる~永遠の夏休み~のあらすじ・作品解説
虹色ほたる~永遠の夏休み~は「ワンピースTHE MOVIEデッドエンドの冒険」などを手掛ける宇田鋼之介監督のアニメーション映画である。2012年の5月に日本で公開された。 交通事故で父を亡くしたユウタという少年が主人公の物語で、父の死を受け入れられず、父との思い出の場所に昆虫採集に出かけたユウタは一人のおじいさんと出会う。昆虫採集の合間、足を滑らせてしまったユウタは意識を失ってしまう。目を覚ました場所は30年以上も前の以前ダムがあった村だった。そこにいたサエコという一人の女の子が当たり前のようにユウタをいとことして迎え、ユウタは現実を受け入れられないまま、このタイムスリップした時代に1か月暮らさなくてはいけない事を以前出会ったおじいさんに聞かされる。ユウタの心の中の成長を描く傍ら、サエコの抱える秘密も描かれている物語で、その村で過ごす日々がユウタにとってかけがえのない思い出になる。 里山の美しい風景や1970年代の豊かな大自然を圧倒的な映像美で描かれている作品である。
虹色ほたる~永遠の夏休み~の評価
虹色ほたる~永遠の夏休み~の感想
田舎の村へタイムスリップ。
ダムにしずんでしまうことが決まっている、とある村。1970年代のその村に、タイムスリップしてきたのが現代っ子のユウタです。元は喉が乾いた老人に水を差し出したことからタイムスリップに繋がったユウタは訳がわからず、それでもタイムスリップ先に居合わせたサエ子という少女やその家族には親戚としてなぜか受け入れられ…。謎が謎を呼ぶようで、それでもユウタとサエ子がそれぞれ持つ事情の辛さ、それを包むどこか懐かしい田舎の村の風景に友達の存在にと、心和ませられもする展開です。何より柔らかくて、さらさらとした描き方の絵が特徴的な作品です。ある展開には写実的な表現を効果的に用いていて、緊迫感を呼んでいます。あと注目して欲しいのが、何より音楽! 生音の存在感がたまりません。謎と柔らかさや繊細さがうまくミックスされている、夏の夜にでもまたゆっくり観たい作品となっています。