キタキタおやじ最高だ!!
腹抱えて笑かしてくれるギャグ要素!
月刊少年ガンガンで連載されていた人気コミック連載作品がアニメ化が実現されて、とても嬉しいですね。ドラクエ風のRPG世界の背景で描く、魔法使い「的」なククリと勇者「的」ニケの冒険活劇〜という構図です。また画風はメルヘンチックで可愛いのが特徴といえるでしょう。
しかし、この「的」というところが面白い要素で、ククリは未熟な魔法使いで魔方の成功率はまぁまぁ低いです。
そして勇者ニケは盗賊の才能が高いようです。これがこの物語を構成する上で、面白いかたちを構成する大きな要素といえるでしょう。
・画風は少女漫画のように可愛いです
・ドラクエ風RPG世界の展開です
ここまでのまとめです。
しかし、ここからがこのコンテンツの真骨頂といえるでしょう。
・基本的にギャグコンテンツです
原作者はこの原作を真面目に作ってるとは思えません。どれだけ緩い頭の構造をされているのだろう、と思わざるを得ません。
まずは「魔法使いグルグル」のタイトルに従えば、主人公は魔法使いククリでしょう。しかし、本編の主人公は勇者(?)ニケで構成されています。ぶっちゃけ彼目線で、ストーリーが展開されていきます。そして彼は真面目に勇者になるつもりあるのでしょうか...序盤をみてると真面目にやる気ないだろう原作者、という気持ちになっていきます。
私の解釈やイメージなのですが、昔に流行った、ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場のギャク漫画の延長線沿いにあるような物語・展開構成に思えてならないのです。そのドラゴンクエスト4コマ漫画から有名になった柴田亜美さんの作品である「南国少年パプワくん」「自由人HERO」という作品からも画風イメージは異なるものの同じ匂いが漂うギャグ要素をビンビン感じることができます。
キタキタおやじというオチ!
作中で私は重要な要素として捉えているのが、キタキタおやじです。彼は作中で大きな役割を担っていると考えています。
この作品はギャグ路線であることは言い逃れできない事実だと思います。その中で、彼の役割は大きくないでしょうか。
彼は作品中でオチを担う部分が大きいですね。でもオチって重要なポジションですよね。それだけ彼の存在感が、実は物語の中では大きなものだったと思うんです。
だって、いち村人が勇者たちの冒険にストーカーのようにつきまとい、そして当り前のようにストーリーに絡んでくるんですよ。ヤツは只者ではないでしょう...しかも驚かされるのは、彼の得意とする笑いはいわえるスベり芸なんです。現実社会におけるポジションとしては「ますだおかだ」の岡田さんの先駆けポジションです。彼はスベり続けて今のポジションを築いたように思います。今では、情報番組のMCだったりと、芸能界でも大きな存在感を示し、唯一無二のポジションにいます。しかしキタキタおやじはその先駆け的な存在だと思うんです。そして、しつこいほどにキタキタ音頭を踊り続ける彼は「よしもと新喜劇」のお笑い手法をアニメの中でやり続けた存在だと考えることができると思うのです。
「スベり芸」という今ではキラリと輝く大きな存在であるジャンル、その先駆け的なものであることを考えると彼の存在感は見逃がせない大きなものなのではないでしょうか。
そして、ストーリーの中枢といえる部分まで、ヤツは食い込んできますからね。
アニメならではの制限に残念!
原作通りの最終回を迎えることがなかなかできないのはアニメ化の悲しい部分なんです。視聴率や、ワンクールという話数の制限が大きな部分だと思います。アニメを観た方は、ぜひ原作の最後まで読んで頂けたら、より楽しめる内容なのではないかと思います。アニメによる一部始終では消化不良感がどうしても否めないのではないでしょうか。
原作の半分くらいしか、アニメではその面白さを伝えきれていないように思います。でも逆にこの制限の中で、よくここまで「魔方陣グルグル」の面白さを引き出してくれたな〜と感心させられる部分もあります。
でもアニメにおける最終回も、コミックファンから観ても期待を全て裏切るものではないです。むしろ原作イメージを覆す内容ではないことを嬉しく思います。
ギャグ漫画の中に潜むラブストーリー
この作品のもっとも根幹となっている部分は、ほんわかさせてくれるラブストーリーなんですよね。ククリのニケに抱いている恋心は物語の中で、大きく展開を左右させるものになっていると思います。特に勇者ニケはそんなことお構いなしにみえる思春期まっさかりの男の子というのが、ギャグ要素のひとつになってしまっているのですがね。
実はこの作品は、男性目線や価値観、女性目線での価値観、そして恋愛感の違いを描いてる部分が大きいと思いますね。
男性のスケベ部分と女性の純情なメンタル部分の表現がとても上手です。その部分のすれ違い、お互いの縮まらない距離感を描いていると感じますね。
最後に...
願わくば、原作コミックの最終回をアニメで描いてほしい!
そして1話から全て放送しきってほしいというのが、原作ファンの想いです。
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