人ならざる者が解いた謎 - UN-GOの感想

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アニメレビュー数 2,474件

UN-GO

3.753.75
映像
3.25
ストーリー
3.75
キャラクター
4.50
声優
2.75
音楽
3.50
感想数
2
観た人
2

人ならざる者が解いた謎

4.04.0
映像
3.0
ストーリー
3.5
キャラクター
5.0
声優
2.5
音楽
3.5

原案・坂口安吾の名作を近未来風にアレンジした今作。

戦争によって廃れ、情報が都合のよい「嘘」に書き換えられ、人々が「真実」を追い求めなくなっても孤独に事件を解決する敗戦探偵・結城新十郎と助手の因果。映像がモダン的かつ特徴なためお気に入りの作品だった。

この作品では「戦争」が主なテーマになっている。

「白痴たち」という話の中でこんなセリフがある。

「みんな戦争をおもちゃにしているのよ!」と。あながち間違ってはいないと思う。武器商人や権力者は、戦争によって利益を得たり、逆に損害を得たりもする。多くの人々の血と死と悲しみ、そして憎しみが彼らにとっては「ダイヤの原石」のようなものなのだ。各地を回り、そのダイヤの原石を探し出すにはそれなりの根気が必要だ。だが、それはあくまで「ゲーム」なのだ。

地球という大きなゲーム機の中で、レアな宝や気軽に紛争や戦争を煽り、自身が主人公のごとく振る舞う。

金と権力を持て余した最高位の狂人たちがこの世界で起こる戦争を「おもちゃ」として遊んでいるのだ。暇をつぶし、スマホゲームなどで時間をつぶす私たちのように。

また、因果も「戦争」の中心にいるような立ち位置として描かれた。

いや因果は人々の醜い本心の叫びを喰らい、より世界を混乱させるような化け物のように描かれているといったほうが正しいか。

「御霊」とはそもそも、人の霊魂という意味なのだ。この作品では御霊=魂=心という解釈で描いている。

坂口氏の原案を顕著に生かしながら描いたが、1クールで終わってしまうのは残念であった。

できることなら続編を描いてほしい。

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UN-GOの世界

UN-GOの舞台は近未来だが、坂口安吾を原案とするとおり、昭和初期文学のテイストが散りばめられている。例えば「アイドルアプリ」は現代と地続きに進化したと思われる未来技術であるのに、前時代的な衣装、調度の中では浮いて見える。そういった、「高尚な」懐古趣味と「チープな」未来技術の交錯が、滑稽であったりはするのだが、数話見続けるうちにその世界観に慣れ、馴染んでくる。これがもし全てがファンタジーで構築されている物語だった場合、設定に納得がいくまで視聴者はただ振り回され、なかなか感情を移入できないこともある。しかし、UN-GOは、知識として知っている過去と、想像出来る未来を織り交ぜ、リアリティのない独特の世界に強引な説得力を持たせている。ただ、謎の存在「因果」が、別天王の登場によりどことなく知っている類の怪異(神)だと感じると、途端に魅力が半減したように思う。UN-GOが謎解きミステリーだとすれば、因果の持つ能...この感想を読む

3.53.5
  • おせいおせい
  • 62view
  • 533文字

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