最高の離婚が最高のドラマ
最高の離婚という題名で初めて目にした時は「なんていう題名なんだ」と驚きました。まず、離婚という事自体が私も世間的にも「最高」や「良いもの」という印象は受けれないからです。題名で視聴者の気を上手く惹けています。第1話が始まりここでまず驚くのが冒頭で主人公の瑛太演じる浜崎光生と尾野真千子演じる浜崎結夏が離婚をします。他のドラマでも離婚をするストーリーだとしても冒頭では私の見てきた中ではありませんでした。しかも、離婚を題材としたストーリーであれば尚更です。パッと題名を見た人には離婚をするまでの流れが最高なのかと思わせます。率直な感想で言えば「え、ここで離婚なの?何が面白いの?」という感想です。しかし視聴を続けているとまず、離婚したのに一緒に住みながら生活していくんです。少し現実味が無く思えるのですがこのドラマの離婚原因が本当に些細な事なのです男、女共に共感のできる事が多数ストーリーに組み込まれています。性格の不一致、考え方のスレ違い、相手への気持ちの空回り等人間ならば必ずぶつかる壁を乗り越えていくのです。主人公以外にももう1組の夫婦が登場します。この夫婦、夫として登場している綾野剛演じる上原諒が婚姻届を提出していない偽装夫婦なんです。真木よう子演じる上原灯里は諒が自分の夫であると思っています。夫だと信じているから浮気性の諒を寛大な心で許しています。浜崎光生と上原灯里は大学時代恋人同士という偶然の出会いがあり、そこから光生が灯里に惹かれていきます。ドラマの中盤からは四角関係を繰り広げ私は「この物語は絶対光生と灯里がくっつくんだな」と思わせる様な流れを作り上げていきます。しかし、終盤ではその考えを覆す結果になるのですがこのドラマを見ていて、今夫婦である私はとても心に響く内容となっていました。恋人同士であった頃はお互いの良い所を見つけ合い相手の事を考えて生活をしていたはずなのに、結婚して一緒に暮らし始めたら悪い所ばかりに目がいってしまい今まで良いと思っていた部分すら嫌いになってしまう。そして単純な気持ちで離婚をしてしまった。けれど離婚後に他人から聞く相手の良い所、妻、夫の夫婦としてじゃなく、他人として見るとまた良い所や惹かれる所が見えてくるんです。よく、「大切な物は失って気付くもの」と言いますがこのドラマはこの言葉そのものなのだと思います。感情的にならず冷静になれば避けれた事、もっと相手と分かり合わないといけないのだと伝えるストーリーでした。最終回は上原夫婦は子供を授かり3人で幸せに暮らします。光生と結夏は別れたままですがとても幸せに前向きに生活していくという流れです。そして光生が結夏にまた一緒に暮らせたら良いなといった手紙を、書いて結夏に渡します。全てを含めて離婚して分かり合えて幸せになれたのです。題名の最高の離婚とは離婚が良いということではなく離婚をしてしまったけれどこの壁を乗り越えてまた幸せになっていこうという事なのかなと思います。とても素敵なドラマなので夫婦で見て欲しいです。
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