それでも、生きてゆくのあらすじ・作品解説
それでも、生きてゆくは、2011年7月7日から2011年9月15日(全11回)まで、フジテレビ系「木曜劇場」枠で放送された。「東京ラブストーリー」や「Mother」など、ヒット作を多く手掛ける脚本家の坂元裕二が書き下ろしたオリジナルドラマで、悲劇を乗り越え希望を見出す家族の物語が丁寧に描かれた。 ストーリーは幼いころに起きた少女殺害事件から始まり、成長した関係者へと視点が変わる。瑛太が演じる被害者の兄と、満島ひかりが演じる加害者の妹という、出会ってはいけない悲劇を背負った二人を軸に、事件が起きたときから時の止まっていたそれぞれの家族が希望を見出そうと懸命に生きる姿を描いた物語である。加害者は風間俊介が演じた。 瑛太と満島ひかりは二度目の共演で、前作では夫婦役であったことから、撮影現場では二人とも難役ながら最初から息もぴったりだったという。 2012年東京ドラマアウォード作品賞、優秀賞を受賞した。
それでも、生きてゆくの評価
それでも、生きてゆくの感想
恋愛感情のリアル
被害者側と加害者側とこの物語は被害者の兄である洋貴と加害者の妹である双葉を中心に展開されますが、二人が出会ってからしばらくは、被害者家族としての悲しみと、以前の友人だった加害者への憎しみを抱えながら生きている洋貴が、加害者家族としての懺悔の念は少なからず感じるものの、「お兄ちゃん!」と呼びながらあくまでも兄、文哉の味方でい続けようとする双葉に対して煮え切らない思いを感じ、時折それをぶつけたりしながら進みます。ですが次第にそれが一人の異性としての視点に変わっていったのは、双葉自身深い苦しみを抱えながら必死に生きているということが伝わってきたからではないでしょうか。洋貴の母親の響子も、自分達と同じ様に苦しみを抱える加害者家族に対して次第に許しの感情を抱く様になっていきます。しかしどうやら、当の文哉本人だけはその苦しみを共有していないようです。それにより、洋貴の中で、vs加害者側から、vs文哉 に...この感想を読む
社会問題
加害者と被害者家族の話です。昔起きた、子供を殺害した事件の犯人家族に満島ひかりさん。被害者家族に瑛太さん。被害者家族は、突然殺害された家族の無念を忘れず生きてきた。犯人は少年であったため、少年法に守られ、数年の少年院生活だけで既に社会復帰している。加害家族も事件の事がバレると引越しを繰り返して細細と生きてきた。偶然、お互いの境遇も分からないまま、2人は出会う。何もも知らない2人は、交流していくうちにお互いを意識し始めていく。遠く離れた土地で社会復帰して働いてたいた元少年。たまたま事件の事が、雇われる先の人達にバレてしまい新たな犠牲者が。。。キャスティングがいいです。実力派女優の満島ひかりさんはもちろん、犯人の元少年役の風間俊介さんの演技は素晴らしい。別ドラマで演じていた心が壊れたら年を思いだしました。風間さんは歳取るごとにいい俳優さんになってると思う。満島ひかりさんは、様々な映画やドラ...この感想を読む
苦しんで生きている私達に、生きる意味を問う異色の名作ドラマ
ドラマ「それでも、生きてゆく」は、ドラマ上の架空のある少年事件の被害者家族と加害者家族の姿を描いたドラマである。少年Aの妹と、少年Aに自分の妹を殺された兄を中心に描かれていく。「少年A」が中学生時代に、小学生の女児を殺害した・・・という設定は、1990年代に神戸で起きた児童殺傷事件を彷彿とさせる。実際の少年Aには、男兄弟が2人いたそうだが、このドラマの設定では、男兄弟でなく、満島ひかり演じる妹を加害者家族の中心に描くことで、実際の事件から少し距離が取れていて、見ていてそれほど殺伐とした思いにはならなかった。このドラマの何が秀逸かというと、この重いテーマを取り上げてドラマ化してくれたフジテレビと協賛しているCMの会社に、まず賛辞を送りたい。テーマ自体が重すぎると、なかなかドラマ化が難しいところがあるが、よく許可を下してくれたなフジテレビ!といった思いである。そのテーマの重さに引きずられて沈むパ...この感想を読む