丁寧に描かれた物語
2004年フジテレビ系火曜22時枠
「僕シリーズ三部作」の第二作目
主演はスマップ草彅剛。初の父親役に挑んだ。
娘役の美山加恋は今作で注目を集めた。
家庭に無関心で仕事一筋で生きる小栁徹郎。ある日彼に愛想をつかした妻が、幼い娘を置いて家を出ていった。娘と二人残された徹郎は、自分の子どもをどう扱っていいかわからず戸惑う。そこに娘の凛の家庭教師である北島ゆらが現れるが…。
繊細で丁寧な心理描写と静かな風景がマッチし、しっとりとした雰囲気を持ちながらもか、現実の厳しさをおろそかにせずに描いているドラマだといえる。
見どころは主人公徹郎が、回を追うごとに気持ちが変化していくところだ。娘との関係が変わっていく様子はいとおしく、暖かい気持ちにさせられる。
主人公徹郎役の草彅剛の感情表現が絶妙だ。娘をいとおしく思う気持ち、幼い娘にイライラする気持ち…すべてがリアルで説得力がある。
娘役の美山加恋は、自然な演技がいい。子どもらしいかわいらしさと、子どもながらに大人を見抜く鋭さをバランスよく演じている。
全体として人々の絆や想いを丁寧に描いており、登場人物一人ひとりに愛情をもって制作されていることがわかる。とても暖かい物語であり、心に残る一作である。
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