心に残る、それぞれの家族への思い - ステップファザー・ステップの感想

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ステップファザー・ステップ

3.503.50
映像
3.50
脚本
3.50
キャスト
4.50
音楽
3.50
演出
3.00
感想数
1
観た人
1

心に残る、それぞれの家族への思い

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
4.5
音楽
3.5
演出
3.0

有名な泥棒が突然、というかいつの間にかとある双子の兄弟の父親に!?これだけでも驚きと不安を煽る、必ず心に残るユーモアミステリー。実力者俳優と若くて可愛い子役達の演技で、原作である小説の物語をテレビで再現しました。当時くらいにニュースで取り上げられていた子育てに関する問題に対して、大人の気持ちから子供の気持ちまでをありのままに描いていた様に思います。

主人公は、泥棒。物語の世間では「怪盗キング」などと呼ばれ、主人公なだけにどこかヒーロー扱いされています。なので無論腕は一流。職業としては泥棒となっているものの、やっていることはそれほど悪意は感じられませんでした。しかし、この物語の本題は泥棒稼業ではなかったんですね。(笑)面倒臭がり屋な怪盗キングは、不覚にも双子の子供に一本取られて「パパ」に!ここだけ聞くと結構可笑しい話だなと思います。これからどうなっていくのか、大体予想がつくかも知れませんがなんだか面白そうな気がしました。

泥棒に父親をやってもらおうと考えるなんてとんでもない子供達だなと最初は思いましたが、そこに真面目で悲しい事情があったからこそだと後で納得しました。両親がいない。ぱっと考えればなんとかなりそうだと思うかも知れませんが、子供の持つ力なんてたかがしれているんですね。子供が生きていく為には、親の力がやっぱり必要だと思い、改めて親への感謝の気持ちが生まれました。なので双子の兄弟は、泥棒でも良いから、二人で一緒に暮らすために父親になってほしいと頼んだのでしょう。

そんな風にして、契約という形で家族となった泥棒と双子。それでも父親になることを嫌がる怪盗キングは、「甘ったれるな」というような厳しい言葉ばかりを放ちます。その内側には自身の辛い子供時代があって、その頃の自分と双子を重ねていた様です。対する双子はどうすればいいのか考え、二人で迷いながらもやっぱり怪盗キング力が必要だと思い、素直な気持ちをぶつけていきました。お互いが不器用だったので、衝突しては距離を置いたりというのが多々あって、見ていたこっちは不安で仕方なかったです。(笑)でもそんな彼らの側にいつもいたのが双子の担任、灘尾先生。最初はお節介が過ぎる、嫌われやすい人だなという印象でしたが、彼女の過去も双子とは反対のものではあるが通ずるものを持っており、また涙を誘われました。そんな先生が双子を思っているからこそ、親としての気持ちを持っているからこそ、泥棒と双子を繋ぎ止めることが出来たのではないでしょうか。このように間を努めてくれる人というのは貴重な存在で、とても大きなものだと思います。

このように他にも色々な登場人物の家族の境遇や事件、ドラマをめぐって、家族に纏わる様々な問題、誰もが一度は抱えたことのある気持ちや体験が、涙や笑いを誘いました。時に暖かくて、悲しく、そして共感するという、見てて心が忙しくなった様な気がします。どの回を見ても、必ず心に残る何かがこの作品にはあります。それがわかったとき、同時に自分の家族が思い浮かぶ筈だと私は思います。

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