「タッチ」これ以上の漫画に出会うことはないでしょう - タッチの感想

【あだち充の後世に残る名作「タッチ」】

双子の上杉達也・和也と幼馴染のヒロイン浅倉南の3人を軸にした後世に伝えたい青春ストーリーです。

「南を甲子園に連れて行って」南の夢を叶えるため1年生でありながら野球部のエースとして活躍する和也、

地区予選決勝に向かう途中に交通事故で亡くなってしまう。

そして達也は和也の「南の夢を叶える」という夢を継ぐために野球部に入る。

「タッチ」はバトンタッチの意味が込められており、和也の夢を達也が受け継いでいくことを表している。

【キャラクター設定が抜群】

「タッチ」はキャラクター設定が抜群で、それぞれ皆いい個性があります。

上杉達也：上杉和也の双子の兄。スポーツにも勉強にも真剣に取り組む弟の和也に対して、

何事にもいい加減な兄の達也であるが、運動神経に潜在能力は和也より上と思われる。

とにかくやさしく、人のことを第1に考えてしまう損な性格である。

上杉和也：努力家で勉強と野球を両立し、南の夢を叶えるため野球部のエースとして活躍、

高校1年生の地区予選決勝で交通事故で亡くなってしまう。

浅倉南：達也・和也のお隣さんで幼馴染。母親を小さい頃に亡くしているおり、父親と二人で暮らす。

その他、明青学園のキャプテンであり捕手の心やさしい松平孝太郎、

ライバル須見工業高校の4番打者、クールでかっこいい新田明男、

達也の同級生，腕力が強くケンカでは負けたことがない原田正平、

この人がいなければ甲子園は出場できなかったであろう鬼監督、柏葉英二郎。

【台詞が抜群にいい】

「タッチ」は台詞がとてもよく、ワンフレーズで心に突きさり、今でも聞いただけで

漫画のシーンがよみがえり、目頭が熱くなります。

特に上杉達也の台詞はおしゃれでストレートで心に響きます。

特に好きな台詞をピックアップしました。

「敬遠は一度覚えるとクセになりそうで。」

※甲子園地方予選決勝で、新田明男との勝負。柏葉監督は敬遠の指示を出すが

上杉達也は勝負をする。ベンチに戻ったときに達也が監督に言った一言。

「上杉達也は朝倉南を愛しています。世界中のだれよりも。」

※上杉達也(甲子園球場で行われる開会式に出ずに南に会いに来た)と南との会話場面。

上杉達也が「スタート地点の確認だよ。」と南に言った台詞。

「もういいよ、疲れるから」

※最終回でライバル新田明男から再戦を要求されるが、一蹴した台詞。

【漫画の手本・ストーリー構成がしっかりしている】

最後にタッチの素晴らしいところは、ストーリー構成がしっかりしているところです。

読んだ感想ですが1巻～26巻迄ストーリーにブレがありません。

多分ですがあだち充さんは最終回を見据えて「タッチ」を描き続けていたのではないでしょうか。

最終巻は甲子園で試合しているシーンは一切ありません。

突然、高校3年生の冬になっています。リアルタイムで読んでいた人は急展開についていけなかったと思います。

最後のシーンは、達也の母が達也・和也の部屋を掃除するしているところ父に呼ばれ部屋から出ます、

そして誰も居なくなった部屋には二段ベット、窓辺におちた葉、和也の写真とコマが移り

最後に『第68回 全国高校野球選手権 優勝』と書かれた皿が描かれて終わりとなります。