ストーリーよりも - DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATIONの感想

キャラクターデザインと声優

真面目な黒髪少年、明るい少年、そして控えめな美少女・・・

この3人がメインのアニメでしたが、このアニメ以外にも見たような気がしませんか？

そう、デュラララ！です！

キャラクターデザインがヤスダスズヒトさんで、ただでさえ絵がデュラララなのに

3人の個性が少なからず似ていてデュラララを思い出した人が多かったのでは無いのでしょうか？

ですが、違和感を覚えたのは、真面目な主人公・響の声優が神谷さんであることです。

神谷さんと言えば、ギャグ系アニメの主人公や、少女漫画の大人しい少年など幅広く演じているので

このアニメを見ただけでは、純粋に努力する少年はとてもぴったりですが

デュラララ！でなかなかインパクトの強い臨也役を演じていたため、

同じ絵で180度違う性格のキャラクターを見事に演じてみせたのが、

デュラララ！ではあんなに上から目線で変わり者だったのに！！と思ってしまい

改めて声優の素晴らしさを実感できたと思います。

デュラララとデビルサバイバーで正反対のキャラを演じた神谷さんに対して

似たようなキャラクターを演じたのが沢城みゆきさんです。

セルティは表情をかえることのできる顔が無いため、キャラクター自体が似ているとは言えませんが

凛とした大人の女性でありながら、垣間見える可愛さを持つマコトに

似た雰囲気を感じた人も多いと思います。

ストーリー構成

原作がゲームで、悪魔を召喚して戦うというのが目的であるため、

敵がいて、目的があって、仲間を増やして、移動して、戦います。

このあたりが少し回りくどく、アニメのストーリーとしてはインパクトが無く印象が薄い様に思えます。

移動では実際にある地方や施設の名前があったため分かりやすくはあったものの

なぜそこに移動したのか、移動したことで何を得たのかが理解しにくかったです。

バトルシーンでは戦うのが人間でなく召喚された悪魔の方なので、

基本的に携帯電話で悪魔を召喚し、あとは命令して戦ってもらい、守ってもらうという流れでしたが

このポケットモンスターの様なバトルの流れで人間の存在がさらに薄くなったように感じます。

戦うのがまた人間型ではなく、いかにも悪魔と言った容姿のものもいれば

モンスターや怪物と言った方がふさわしい物など、

キャラクターとして覚えにくいものが多かったです。

主人公たちが移動を進めていると、悪魔を召喚できるという同じ能力を持った仲間に出会います。

アニメにとって登場人物が増える事は必須だと思いますが、このアニメの場合次々と死んでいってしまいます。

増えては戦って減り、増えては戦って減り・・・という繰り返しで、各キャラクターのエピソードが短くなるため

キャラクターが戦いに負けて死んでも感情移入ができす終わってしまいました。

最終回になるとヤマトとヒビキだけの2人が残りますが、

ここで2人のラストバトルシーン！と思いきや、お互いの信じるものを語り合う場になるのです。

主人公らしく「絆」を大切にしたいと思っているヒビキと、

敵っぽく「力」があれば良いというヤマト。

バトルがメインであったはずのアニメで、お互い信じるものがあるのは良いテーマになると思いますが

それが口論となってしまうと最終回とはいえ印象はかなり薄いのではないでしょうか。

私も思い返すと、このバトルシーンがどうだったかは覚えておらず、バトル後の元の世界に戻った時のシーンを思い出して、

そういえばヒビキが勝ったんだったな、と思う程度です。

ゲームからのファンでこのアニメが好きな人でもあの最終回は、最終回らしく激しいバトルを繰り広げて欲しかったと思うのではないでしょうか

7日間の意味

このアニメでの悪魔ではない侵略者としてよく名前を耳にした「セプテントリオン」。

言葉の意味を調べてみるとラテン語で「北斗七星」をあらわしていることがわかりました。

そしてこのアニメ、突然七日後の決断を責められ、

1日目・・・2日目・・・と話が進み、分かりやすいようタイトルにも使用されています。

七日間・・・、北斗七星・・・。

お気付きですか？悪魔召喚の話ですが、神話含め、星座の話が絡んでいるんです！！

まず、どうして私達が1週間という単位で生活をしているのかという話ですが

一説では太陽暦に関係するもの、人間のリズムに関係するものなど

決定的なコトははっきりと言えないものの、私的には両方が絡んでいると思います。

星座の話と悪魔使いが13人という設定から、太陽暦が関わってくるのは納得ですし、

7日間で話が始まり、うまくまとまって終わりまで行っていることから、人間のリズムであることも納得がいきます。

星座と神話と悪魔が絡んでいる件については、キャラクターやストーリー構成を作りやすいからと言うべきだと思いますが、

7日間で話をまとめることで、人間の生まれてから死ぬまでの葛藤や、その結果の喜びを、

身近にある分かりやすい数字で区切り理解しやすくなっているのだと思います。