いい意味で裏切られた作品 - 神様のカルテの感想

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神様のカルテ

4.754.75
映像
4.63
脚本
4.75
キャスト
4.88
音楽
4.63
演出
4.75
感想数
4
観た人
5

いい意味で裏切られた作品

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
4.5
演出
4.5

時間を持て余して映画館に行って、なんの事前情報もなく観たせいだろうか。この作品が、現役看護師である私にとってこれほど、心揺さぶられる作品になるとは思ってもみなかった。正直、昨今の医療をテーマにした作品には批判的であった。ほとんどの作品は非現実的で、医療従事者の心の葛藤や現場の厳しさは置いてきぼりだと。しかも主演はアイドルグループ嵐の、櫻井翔さん。失礼ながら、アイドルの演技力を侮っていたことも事実である。

スクリーンでの医師は、若くして最高の技術を取得した「スーパーヒーロー」みたいな扱われ方が多いと思う。それに比べるとこの作品で描かれる医師はかなり現実に近い。毎日、激務に追われ休む暇もない。身なりに気を遣う間もなく、日々命と向き合う現実の重さに葛藤し続ける。

私自身、同じような激務の中で、なかばあきらめにも近い感覚を持ち始めていた。慣れればなれるほど、だめだと思いながらも医療行為は事務的になっていく。しかし、この作品の一止は違う。激務の中、もがき苦しみながらも「医療従事者として一番大切なもの」を決して忘れない。眩しくてたまらないと思った。「理想論だ、作り物だ」と言ってしまえばそれまでなのだろう。しかし、この作品の原作者が現役の医師であることを考えると、そんな言葉では片づけられない作者自身のメッセージがこめられているように思えて、襟を正さずにはいられないかった。

「この病院に来てよかった」「先生のカルテが神様のカルテに思えた」という末期がんの患者さんの言葉は、医療従事者にとって最高の栄誉だと思う。患者さんからの手紙を読んで、帰宅した家の前で号泣する櫻井さんの姿が目に焼き付いて離れない。仕事中、ふとした瞬間にそのシーンを思い出す。いい意味で裏切られた作品である。

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宮崎あおいの力量再認識。

櫻井翔演じる一止、宮崎あおい演じる榛名の夫婦が出す空気感が何とも落ち着く作品です。一止はお医者さん。文学青年というか、話し方が独特だけど全然違和感がない…。不思議。物凄く忙しい内科医で、だからこそ榛名の存在が大切なものなんだろうなと思います。あ、髪型も独特。一方、榛名は山岳写真家という、これがまたそうそう出会える感じではない職の人。そして佇まいも選ぶ言葉もしっかりしてて、それでいて押しが強いとかではなくて優しい。こんな人になってみたい。一回。これは宮崎あおいしか出来ない役柄だと言っても過言ではないのではないでしょうか。安曇さんというお婆さんの患者さん。一止に多くのことを学ばせてくれた人です。この人がどうなるのかというのも、私にこの映画を最後まで目が離せなくした大きな理由です。御嶽荘の人たち。一止にこういう仲間、絶対必要だよね…と思わせる、妙な説得力を帯びた雰囲気を持っていてくれる人たち...この感想を読む

5.05.0
  • a_sa_s
  • 95view
  • 506文字

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