太ったローズマリーと、セクシーなローズマリーは必見! - 愛しのローズマリーの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

太ったローズマリーと、セクシーなローズマリーは必見!

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.0
キャスト
4.2
音楽
4.0
演出
4.8

目次

今までに見たことのないラブストーリー

父の遺言である「いい女、とびっきりの美人と付き合え」と言い残して死んでいった父の遺言を守り生きてきた主人公ハルの物語。ローズマリー役には、アイアンマンでも有名になったグウィネス・パルトローが演じています。

今までに、こんな楽しいラブストーリーがあったのかと思うくらいに楽しくて笑ってしまう映画。特に、ハルが見えるローズマリーはセクシーな女性なのだが、本当のローズマリーは、巨漢とも言える太った女性だというところが見所となっており、見事に映像で表現しています。

ハルからみたローズマリーの映像に、太ったローズマリーが起こす行動をうまく重ね合わせ、椅子が壊れたり、ローズマリー側のボートが大きく沈んだりしている映像、セクシーなポーズだったのが、凄いデブでセクシーとは程遠いポーズだったなど、笑い所が満載の映画となっています。また、主人公のハルは、美人を追い掛けているのに、自分自身は冴えないおじさんである事を、自覚しません。この事は、ある意味女性の内面を見ようとしないのと同じように、ハルは自分の真実も見ないようにしているのかも知れません。


人間の良さは容姿では決まらない

人間の良さは、外見よりも中身だと、わかってはいるけれど、やはり綺麗な女性に誰しも心を奪われてしまいます。そんな状況を打破してくれるのが「愛しのローズマリー」ではないでしょうか?

容姿が美しくないからといって、内面も美しくないとは限りません。ローズマリーでは、ハルに内面の美しい女性が美人に見える催眠術をかけてしまうわけですから、美人でも心の美しくない人は醜く見えてしまいます。この部分も見所の一つで、もしもこのような催眠術をかけてもらったのなら、心のきれいな人を愛せて、ハルのように幸せに暮らせるのだと思います。


ハルに対して爽快な気持ちになる

美人ばかり追い掛けていた、いやな男ハルに対して爽快な気分になれます。あれほど嫌がっていた容姿の悪い女性とベッドインする訳ですから、見ていて面白くないわけがありません。

特に、ベッドを共にする場面では、ローズマリーが脱ぎ捨てた下着の驚異的な大きさに、不思議がるハルに、爆笑してしまいます。人生を追求する映画はたくさんありますが、どれも説教染みているものばかり。そんな時には、「愛しのローズマリー」のように、笑いながら人間の内面について考えるのもいいのではないでしょうか?


設定のみでも、すでに面白い

映画には、ストーリーでこれからどうなるのだろうか?と思わせる作品もありますが、こちらの作品は設定だけですでに面白さを掴んでいます。あとは、役者自身の魅力を発揮させ、さらに深みを増すのですが、私にはハルを演じているジャック・ブラックはどうしても好きになれない役者さんです。彼特有の濃さと、いやみな雰囲気がどうも受けつてくれないのです。その反対にローズマリーを演じた、グウィネス・パルトロー役は大好きな女優さんです。人気となった映画「アイアンマン」は、でもペッパー・ポッツ役ははまり役で、とても魅力溢れる人物を演じていました。こちらのローズマリー役では、太ったローズマリーと痩せたローズマリー役をこなし、その美しさを見せつけています。やはり、スレンダーな彼女の美しさには惚れ惚れしてしまいます。


きれいな心の標準ってなに?

単なるラブコメディとして鑑賞するのもよいですが、ひとつ気になった点として、綺麗な心の標準とは、一体なんだったのだろうか?と気にかかります。心の美しい人間は、優しくて親切、思いやりがある、相手の気持ちを考えるなど、ありきたりな事を思いがちですが、それが本当のきれいな心と言い切れるのかと、少し疑問に思えます。

美しい心を美しいと、見せてもこちらにはあまり、その美しさが見えないと思うのです。だから「愛しのローズマリー」では太ったローズマリーをだした事で、心の美しさを表しているのでしょうが、少し表面的な描き方だと思いました。

たとえば、すごく意地悪な人、いやな人が実は心の美しい人だったというのもありなのではないでしょうか?本当に心の美しい人間は、その美しさを周囲に知られるのをいやがり、いやな人間風に過ごしている気がします。そして、誰もいない1人になった時に、心の美しさを見せてくれるのではないのかと思います。これ見よがしに、いい人間、思いやりがあって優しくて、親切な人間を見せつけている人は、なんだか嘘臭く感じがするのです。そう思っているのは、私だけなのでしょうか?


しかし…ここまで太ってしまうのは、いかがなものでしょうか?

肥満体の人に、こう思ったら悪いのかも知れませんが、美しい心がこのような容姿の中かに、詰まっているとは思えないのです。太っているのは、悪い事ではありませんが、あれだけ太るためには、たくさんの食事をとらなければいけません。自分の自制心よりも、食べるという欲が勝る訳ですから、自分勝手でワガママな面がある人だと思ってしまうのです。

ローズマリーが太るためには、両親に愛されていないとか、ストレスがあるために食べてしまうのならわかるのですが、ローズマリーは両親にも愛され、不自由のない暮らしをしているのですから、そんなストレスもないでしょう。考えられるのは、ローズマリーは甘やかされて食べ過ぎたのかも?


あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

愛しのローズマリーが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ