ハンコックは心優しいスーパーヒーロー
クズよばわりされるスーパーヒーロー
普段はアルコール中毒で酔っ払いのハンコック、正義感が強いのかどうなのか、困っている人がいるとどこからともなく助けに行きます。しかし、その助け方には大変な問題が・・・。道路を壊し、建物を壊し、車を壊しと甚大な被害がありせっかく助けても市民からは非難の嵐です。しかもだれかれかまわず「クズ」と言われるとキレて何をしでかすかわからない始末、これだけクズよばわりされるヒーローも珍しいものです。事件を解決するたびに破壊行為を起こしているため、市からは損害賠償請求までされていますが、ハンコックは一度も出頭をしたことがありません。本人としては物を壊してしまうのは人助けをしようと思ったら仕方のないことであり、それなのに損害賠償請求だのなんだのと迷惑な話なのでしょう。
力を誇示したような動きですが、それは孤独ゆえに人から評価されたいという願望からきているようです。しかし、結局何をするにもやりすぎて人を助ければ助けるほど、評判は落ちていく一方です。ハンコックには80年よりまえの記憶がありません。覚えている一番古い記憶は救急病院の中で、その時にはもう自分が誰なのかわからない状態でした。それでも、誰一人自分を訪ねて来る者がおらずその孤独さからやけをおこしていたのかもしれませんね。
レイとの出会いで「クズ」から「ヒーロー」へ
レイの車が列車にひかれそうになったのをハンコックが助けたところからレイと出会います。レイを助けるために列車と車を壊したハンコックをそこにいた人たちが非難する中、レイだけは命が助かったおかげで家族に会えるとハンコックに礼を言います。これが出会いでハンコックとレイは親しくなります。助けた時にクレームを言われることはあっても、レイのように「たしかに車を持ち上げる方がよかった」と言われても、そのあとにきちんとお礼を言ってくれる人はいなかったので、ハンコックにとってレイははじめて自分を評価してくれる人として映ったのでしょう。
まずヒーローとなる第一歩として今までの行いを改めることをアピールするためにも、刑務所に入り反省している姿を見せます。そして犯罪が多くなりハンコックを求める声が上がるのを待つという計画を立てます。その間にレイから、ヒーローとしての立ち振る舞い方・戦い方などのレクチャーをうけ、そのかいあってか出所後の銀行強盗事件では何も壊さずに無事人質を救出することができ、市民からも拍手があがりました。これまでは「クズ」とか言っていた市民が、何も壊さずに解決したらヒーローとは都合がいいように思いますが・・・。
ハンコックは「クズ」で、メアリーは「イカれてる」
ハンコックとメアリーは二人一組として神につくられた存在です。仲間がいたものの、夫婦になって死んでいってしまいました。ハンコックは仲間の中でも一番人を助けたいと思う気持ちが強く、メアリーはハンコックだけは人類のために生きていないといけない人だと思っていたようです。メアリーはレイに自分の力のことを隠して生活していましたが、ハンコックと再び出会ってしまったことでレイにもばれてしまいます。ハンコックのキレるキーワードが「クズ」に対し、メアリーは「イカれている」です。ハンコックがメアリーに対し「イカれている」と言ってしまったため、町が壊れるほどの大喧嘩になりその場面をレイに見られてしまいます。
ハンコックとメアリーは二人一組として作られたのだけあって、どんなに離れていても近づいてしまう運命だということです。普段二人は不死身ですが、近づきすぎると人間として生きることができるように不死身ではなくなってしまいます。レイと知り合ったことで近づきすぎてしまった二人は、ハンコックを狙った犯人によって殺されかけてしまいます。2人が離れれば離れるほど力を取り戻すと知ったハンコックは、メアリーを助けるために満身創痍の状態で外に飛んでいき不死身の力を取り戻します。
レイは本当にいい人
レイはみんなから嫌われているハンコックに対し、問題点をしっかりハンコックに伝え解決策もちゃんと教えます。物を壊してまわって犯罪による被害等よりも破壊した損害の方が大きく取りざたされるハンコックですが、そちらの面だけを見るのではなく人助けをしていることに関してはちゃんと評価できる公平な人だと思います。メアリーがハンコックにレイは本当にいい人だから、裏切るようなことをしないでほしい、と言っていました。これは自分たちの生活をまもるためにというよりは、レイのことを思って言った心からの願いだったように思えます。
最後のシーンでレイのもとにハンコックから電話がかかってきます、そのそばにはメアリーとアーロンが・・・。一番の理解者ができたことでお互いのいい距離を保つことができるようになったのでしょう。レイの前では力が弱いふりをしていたメアリーですが、そんな必要はなかったのかもしれませんね。
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