進化させ続けた推理ドラマ
古畑任三郎はまず視聴者に誰が犯人かを見せ、どのような手口で犯行に及び、トリックを仕掛けるのかを見せる従来の推理ドラマとは逆の方法で見せるドラマです。一通り犯行を見せた後、古畑任三郎が事件を解決し、犯人を追いつめるというのが作品の多き流れになっています。時折見せる今泉とのやり取りも物語を面白く魅せるだけでなく、事件解決の重要な手がかりに繋がることもあり、目が離せない要素になっています。
今回の作品と1stseasonとと2stseasonとの大きな違いがいくつかあります。まず第1に西園寺という優秀な登場人物の登場です。3rdseason放送前のVSSMAPや黒岩博士の恐怖にも登場していますが、今回のシーズンでも起用されています。西園寺は今泉とは対照的に非常に綿密な捜査と知識と考察力で古畑を支えていく欠かせない存在になっております。また、このシーズンを通して意外な一面も見ることができるのも見どころの一つでもあります。第2に花田の存在です。この人物も西園寺と同様に黒岩博士の恐怖にも登場しており、事件解決の大きなヒントを与えていました。本作でも事件解決のための大きなヒントを与えており、いくつもの事件の解決に結びついています。花田は物語を通して、視聴者としての目線で古畑達に接する重要な人物に昇華されています。第3に解決編に行く前の暗くなる場面でお便りを読んで事件の全貌を語るといったことも従来のシリーズにはなかったことです。この部分からもマンネリ化の打破を図った要素が散りばめられています。第4に従来の事件とは一風変わった事件の存在で次に記載させて頂きます。以上4つが大きな違いになります。
次に従来の事件とは一風変わった事件について移ります。これまでも多くの事件で視聴者を楽しませるだけでなく、古畑達を悩ましてきましたが、今回のシーズンでは、今までよりトリッキーな事件が存在しています。まず最初に初めて誰一人死ぬことなく解決した事件があったことです。この事件では犯人が自殺をし、妻に殺しの疑いをかけるという流れでしたが、古畑がいくつものヒントを元に未然に防ぐというものでした。古畑いわくこれを最終回に持っていきたいとも言っていました。他にも、飛行機の上で今泉と西園寺が主に事件を解決したり、2週にまたいで電車テロの大掛かりな事件を上手く描いていると思いました。他にも良質な回がありますが、大きなネタバレになってしまいますので事件の中身についてはこれまでにさせて頂きます。
この作品を見ていく上で豪華なキャストもまた魅力のひとつになっています。真田広之や福山雅治といったゲストが登場しています。最終話でも江口洋介の迫真の演技も見ることができ、物語の脇を固めています。
以前は再放送で今回のシーズンはよく見られたのですが、最近ではめっきり見ることが少なくなりました。Amazonでも高めではありますがDVDBOXが販売されていますのでご購入を検討されてみるのもありかと思います。
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