今泉くん、ずっと面白い - 古畑任三郎 3rd seasonの感想

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古畑任三郎 3rd season

3.753.75
映像
3.25
脚本
4.25
キャスト
4.00
音楽
4.50
演出
4.00
感想数
2
観た人
4

今泉くん、ずっと面白い

4.04.0
映像
3.0
脚本
5.0
キャスト
4.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

テレビドラマの王道といえば、この作品!!

「古畑任三郎」を視聴した感想です。
率直に申し上げて、「やっぱり面白いなあ」と思いました。
古畑任三郎は、初回シリーズは1994年に放送されており、実に20年以上前に制作されているのですが、今観ても変わらず面白いと思います。

2006年に新春スペシャルを放送したのが最後となってしまいましたが、そこに至るまで、全く作品のテイストがぶれなかったのもすごいと思います。

ミステリーとしても、コメディとしても、人間ドラマとしても見ごたえアリ

古畑任三郎は、一話完結のミステリードラマです。
その全ての脚本を、三谷幸喜さんが担当しています。

冒頭で犯人が犯行を行う手口を見せ、それを警部補の古畑任三郎が解き明かすという手段を毎回行っているのが特徴です。

最初から犯人が分かっているのにも関わらず、古畑がどのように犯人にたどり着くのかが毎回分からず、ワクワクします。
また、必ずヒントになるような事がドラマの中にいくつか織り込まれており、ストーリーに目が離せなくなってしまいます。
そのような伏線が、古畑によって一気に解き明かされるのも、スカッとさせられて面白く感じました。


また、犯人の人間性が、事件解決に大きく関わってくることも、ミステリードラマとしては珍しいと思います。
名探偵コナンや金田一少年の事件簿など、多くのミステリー物は、トリックの綻びから事件の謎を解決します。
しかし古畑任三郎は、犯人がずぼらで猫の缶詰の空き缶を洗わずに捨てたことで怪しまれたり、絶対音感と完璧主義な性格のため、水槽の電源を切って足がついたりと、犯人の人間性が重要なカギになっています。
おざなりになりがちな犯人側のドラマをきちんと描いていて、一話一話飽きずに観られていいなと思いました。

また、ミステリードラマとしての面白さだけではなく、コメディの部分もとても面白くできています。
主人公の古畑任三郎の翻弄な行動や犯人とのやり取り、部下の今泉慎太郎のマヌケな言動の数々に、思わず笑ってしまいます。
また第三シリーズでは、石井正則さん演じる西園寺守や、毎回どこかに表れる八嶋智一さんなど、新しいキャラクターも増え、一層面白くなりました。

古畑任三郎のコメディシーンは、下ネタや漫才的なボケツッコミが一つもなく、キャラクターのやり取りのみで笑わせている印象です。
それが舞台だったり、映画、ドラマでの、本来の笑いの姿なのかもしれません。

しかもその姿勢で、全力で笑いを取りに来ています。
ドラマの中で、「少し休憩部分を作っておこう」という感じではなく、コメディの部分はコメディ作品として、本気を出しているように感ました。

今活躍されている脚本家やドラマ監督で、コメディ描写が秀逸な人といえば、宮藤官九郎さんや堤幸彦さん、三木聡さんや福田雄一さんでしょうか。
皆さん個性的なんですけど、宮藤さんや福田さんは一本の脚本の中で、かなりのギャグを入れている印象があります。
また、堤さんや三木さんは、独特の間をとったり、小ネタを画面に入れ込むことで、笑いを誘っている感じがします。

しかし、古畑任三郎のやっているコメディは、そのどちらでもありません。
不思議なのですが、脚本にギャグを詰め込んでいる訳ではないのに、ふとした今泉のセリフなどがすごく面白かったりします。
沢山の笑いのシーンがある訳ではないのに、満足感が高いのです。
コメディの王道をやっているような感じですよね。

また、今例に挙げた作家や監督の作品は、どこか「コメディの部分」と「真面目な本編」が分かれているように見えるのです。
観ていて視聴者が、「ここはコメディ部分だな」、「ここから本編だな」と意識するというように。
私個人は、どの作家さん、監督さんの作品も好きなので、ドラマのそのような流れを自然に受け止めていましたが、改めて古畑任三郎を見返すと、その境が無いのがすごいと思いました。

一つの作品の中で、ミステリーだったり、コメディだったり、あらゆる要素が渾然一体となっていて、ドラマとして完成度が高いように感じられました。

古畑任三郎を演じた田村正和さんや、今泉を演じた西村雅彦さんの好演もあろうかとは思いますが、やっぱりまずは脚本なのかな、と思いました。 

最近、大人から子供まで楽しめるドラマって無いなあ


また、古畑任三郎の笑いは品が良くて、大人から子供まで楽しめるようにできているのが、いいと思いました。

恐らく先に挙げた作家さん、監督さんの作品は、年齢の高い人には面白く感じられないと思います。
家族揃って見る、という感じの作品は、あまりないですよね。

そんな中、古畑任三郎は、視聴者への間口が広く、誰でも楽しめるようにできていると思いました。

フジテレビのドラマといえば、踊る大捜査線など、やはり老若男女問わず楽しめる作品が多かったように思います。
今は民法各局、若者向けであったり、女性に向けたドラマが全体的に多いのかなという印象があります。

古畑任三郎や、踊る大捜査線などのような、大人から子供まで楽しめるような作品が、もう少しあってもいいのかな、と思いました。

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古畑任三郎はまず視聴者に誰が犯人かを見せ、どのような手口で犯行に及び、トリックを仕掛けるのかを見せる従来の推理ドラマとは逆の方法で見せるドラマです。一通り犯行を見せた後、古畑任三郎が事件を解決し、犯人を追いつめるというのが作品の多き流れになっています。時折見せる今泉とのやり取りも物語を面白く魅せるだけでなく、事件解決の重要な手がかりに繋がることもあり、目が離せない要素になっています。今回の作品と1stseasonとと2stseasonとの大きな違いがいくつかあります。まず第1に西園寺という優秀な登場人物の登場です。3rdseason放送前のVSSMAPや黒岩博士の恐怖にも登場していますが、今回のシーズンでも起用されています。西園寺は今泉とは対照的に非常に綿密な捜査と知識と考察力で古畑を支えていく欠かせない存在になっております。また、このシーズンを通して意外な一面も見ることができるのも見どころの一つでもあります。第2に花田...この感想を読む

3.53.5
  • ヨクサルヨクサル
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