愛憎劇の金字塔
牡丹と薔薇は2人の姉妹とそれを取り巻く人間との関係ややり取りを綿密に描かれている作品です。
作品自体はぼたんの視点と香世の視点の2つの視点から見ていくことでストーリーや人間関係だけでなく、登場人物の心情の変化や主人公から見た登場人物の捉え方などを掴むことができると思います。2人は同居するまで全く違う家庭環境にあり、考え方や取り巻く人間関係が違うにも関わらず親密な関係になり、ボタンの掛け違いで物語の展開を大きく広げていると感じました。物語の展開としてぼたんと香世の互いに内在する愛と憎しみのアンビバレンスに重きを置いており、その中にも周囲の人間たちの葛藤を織り交ぜていて作品としても秀逸ではないかと感じました。
また、昼の時間帯にも関わらず、視聴者をあっと驚かせる演出が適度に用意されていて、その場面が印象に残ったという視聴者も少なからずいるのではないかと思います。特に財布ステーキと呼ばれるものが出てくるシーンは今でも覚えている人は多いのではないかという印象です。その後も中島丈博氏の作品でもこれを継承したものが登場していることからも財布ステーキはこの作品の代名詞のひとつではないかと考えています。
牡丹と薔薇は放送終了後も再放送が何度も行われるだけでなく、さらにはパチンコ台としてのタイアップも実現していることから根強い人気があるのが伺えます。さらには、2015年には新・牡丹と薔薇として続編が製作されていることからもこの作品の人気を裏打ちしているのではないかと思います。
この作品は見る人を選ぶ作品な面も持ち合わせていますが、一度ハマるととことんハマる可能性を持ち合わせた作品の一つだと思います。特に登場人物の視点に立って物語を見るのが好きな方のツボにハマるのではないかと感じました。
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