悪意のない純粋な悪
私たちの普段の生活の中で、目の前に邪魔な虫が飛んでいたらあなたはどうしますか? 大多数の人は、邪魔だからと叩き落としてあわよくばトドメを刺してしまう事でしょう。 この映画の主人公蓮実 聖司にとって、 自分以外の人間はまさに虫と同等の価値という認識しかもっていません。 自分の目障りとなった人物は情け容赦なく処分します。 そうです、けして無差別ではないのです。 目障りになった人間を、周りにバレないように、一切の慈悲もなく、シンプルに殺す。 情報収集のために拷問じみた殺し方をしたりもするものの、 基本的に殺し方は効率よくシンプルです。 快楽のためとか歪んだ性癖をもっているわけではまったくありません。 殺人衝動に駆られてといった発作的犯行もありません。 なんか邪魔なやつがいるから殺しとこう。みたいな。 ゲームで遭遇した敵キャラを倒すような感覚で、一人また一人と殺していきます。 そこには一切の悪意もない、あくまで我々の価値観に照らしてみた結果の純粋な悪が存在するのです。 なんだろな、久々に日本のサイコホラーが楽しめたようなそんな映画でした。
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