悪の教典の感想一覧
映画「悪の教典」についての感想が11件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
何の迷いもなく殺していく姿が余計に怖い
この映画、前半と後半のギャップが凄いです。前半は生徒に好かれ、学校を思う教師ハスミン。人気の教師でいつも周りには生徒がいるというほのぼの学園ドラマのような感じなのですが後半になると男性教師と生徒の肉体関係が出てきたり、女生徒に迫る教師などドロドロ。そこにきて蓮実の殺人ショー。自分に不必要な人はいらないとばかりにどんどん殺していく姿は怖いというより「なんだこれは!」という驚きでした。原作を読んでいないのですが、原作を読んでもっと深く知りたいと思う作品です。個人的にはこの作品も好きなのですが、この作品前の「序章」が好きでした。蓮実が教師になる前、海外で働いていた頃からj始まります。この時嫌だったのは毎日犬に食べ物を与え徐々に弱らせて殺すというもの。彼にとって人や動物を殺すのはきっと何でもないことだったのでしょう…
徹底された邦画サイコホラー
貴志祐介さんの小説を、脚本・監督に三池崇史さんで映像化した邦画サイコホラーです。主演は伊藤英明さんなのですが、海猿シリーズでずっと人を救うという役をしていただけに変貌のギャップもインパクトがあり、この作品のサイコパスの役としてはピッタリだと思いました。後半の容赦のない過激な描写はかなり凄まじく、ここまで徹底した感じの映画は邦画としてはけっこう珍しいのではないかと思います。感情も無く計算だけで他人との接し方を考えるというのはとても恐ろしいことだなと感じました。ホラーに慣れていない方にとっては正視に耐えかねる場面も多いとは思いますが、自分的には興味のある題材だったというのもありラストまで一気に観れました。
悪意のない純粋な悪
私たちの普段の生活の中で、目の前に邪魔な虫が飛んでいたらあなたはどうしますか?大多数の人は、邪魔だからと叩き落としてあわよくばトドメを刺してしまう事でしょう。この映画の主人公蓮実 聖司にとって、自分以外の人間はまさに虫と同等の価値という認識しかもっていません。自分の目障りとなった人物は情け容赦なく処分します。そうです、けして無差別ではないのです。目障りになった人間を、周りにバレないように、一切の慈悲もなく、シンプルに殺す。情報収集のために拷問じみた殺し方をしたりもするものの、基本的に殺し方は効率よくシンプルです。快楽のためとか歪んだ性癖をもっているわけではまったくありません。殺人衝動に駆られてといった発作的犯行もありません。なんか邪魔なやつがいるから殺しとこう。みたいな。ゲームで遭遇した敵キャラを倒すような感覚で、一人また一人と殺していきます。そこには一切の悪意もない、あくまで我々の価値...この感想を読む
悪が徹底している!
貴志さんの本は、いつもすごく面白くてかかさず読んでいたので、今回の映画化は非常に楽しみにしていました。 伊東英明もカッコいいし~♡ しかし、本当今回は吐きそうになるくらいひどかった・・・・ いつもこの方のお話は、ホラー要素も強いけどもうちょっとサスペンス的で心理的なんだけど、 これは、今までとは少し違う殺戮映画となっております。 わけもわからず殺されまくる生徒たちと、笑顔でジョークもいれながらまるでゲームのように殺しまくる伊東先生・・・。また伊東英明があってるんですよね~。 ホラーが平気な私も、途中でさすがに具合悪くなりました。 躊躇がない!そしてこれといった殺す理由がないんです。 そこが怖いんですよ。殺人がバレちゃった~、じゃあみんな殺しちゃえばいいか~みたいな・・・。 このあと、原作も読みましたが私の脳みそでは理解しきれませんでした。 深くて浅いんです。普通の人が頭で理解するという...この感想を読む
magnificent
問題作として大きく話題になった作品で、貴志祐介の同名ホラー小説を三池崇史監督が映画実写化。本作は「サイコパス」という言葉を忠実に再現していると思います。サイコパスとは反社会性人格障害であり、特徴として博学で話題が豊富、巧みで爽やかな弁舌、人を操り、人気を集め、注目を浴びる事に長けている。そんなサイコパスの特徴を主人公の蓮実(ハスミン)は兼ね備え、二枚目で善玉の役が多い伊藤英明が演じる事でもの凄い説得力を生み出している。一見してみんなから慕われる人気の先生だが、その裏では邪魔者を容赦なく抹殺し、自分の王国を作ろうとしている異常な思考の持ち主である。そのサイコパスとしての顔を見える終盤での変貌は本当に怖い。無表情となった伊藤英明の眼差しがあそこまで怖さを放つのは素直に上手いと言える。それまで構築した人気の先生ハスミンとはかけ離れた殺人鬼で真の姿である蓮実は強烈なギャップを生み出しています。...この感想を読む
時間がたりなかった…
原作既読のため、どのように映像化されるのか楽しみにしていたのですが、正直物足りなかったです。この物語の見所は、教師が生徒を殺戮することではなく、サイコパスである主人公・蓮実の異常な思考や行動、知能の高さ、目的のために様々な知略を巡らせる計画的な部分にあると思うのですが、それがあまり描かれていなかった。蓮実の異常さがあまり説明されていないため、ただの衝動的殺人を描いたドラマになってしまっていました。また、最終的に蓮実を追い詰めることになる生徒達の攻防もかなりカットされてしまっていたので残念です。全てを映像化するには時間が足りなさすぎたと思います。俳優陣の熱演はとても良かったです。
ホラーとかサスペンスというジャンルではない様な気がします
人気者の英語教師が実はサイコキラーで人の命を奪わずには生きていられない様な人間だった。そういう風な内容だと思っていたのですが少しストーリー的には雑な様な気がしました。前半は丁寧にこの主人公の生い立ちや、主人公がおかれている立場、主人公を取り巻く環境等を重点において撮られていてとてもわかりやすいものでしたが、その為に時間を割いたからでしょうか…後半は人を殺すシーンで埋め尽くされています。グロいというよりはグロさすらも感じとれないぐらいのスピードで人が死にます。前半の様なジワジワした感じがもう少しあった方がサスペンスやホラーといった感じだと思いますが、後半の様を見るとまるでコントの様で、キャストのセリフもユニークなものが多かった様に思えます。結構笑えるかもしれませんよ
あっけなく人が死んでいく
1秒目を閉じたら10人ぐらい死んでるんじゃないかと思うぐらいあっけなく人が殺されていく映画序盤の伊藤英明の愛され爽やか教師っぷりが流石だなーなんて思っていたら徐々にサイコパスな部分をチラつかせる。そのチラつきを手伝う吹越満演じる冴えない教師釣井正信。個人的には一番あっけなく殺された様に思う。この映画を見て「良かった!」とは言えないけど「最低だ!」みたいな気持ちにはならない。不思議な感じ。ただ見終わった後に本当に疲れがドッときた。緊張の連続で…(汗)劇中でオペラやジャズ?がよく流れる。その歌詞や音が恐怖を2倍にも3倍にもしてくる。まさに耳から目から恐怖地獄。幽霊や何かが出てくるホラーよりよっぽどホラー的。やっぱり生身の人間が一番怖い
要注意映画!!
とあるアイドルが試写会で、観ていて不快になると言って、当時は話題になったかと思います。まさに、それでした!この作品の小説を読んでいた友人は、『小説を読んで、しばらく気分が落ち込んだ』と話をしていましたが、映画も負けじと気分を下げていきますね。ここまでやるか!!っていうのが、逆に気分が良いというかなんというか・・・。気分が落ちているなーという時にはおススメしません!!猟奇的な作品や、人の心理とかに興味ある人は楽しめるかもしれません。私は人の心理とかを知る方が好きなので、そういう意味ではこの作品は楽しめたかなと思います。表面だけを観ると、気分が悪くなるだけだと思いますが、「作品に込められたメッセージって何だったんだろう?」と考えると、きっと奥深く観れると思います。ただ、作品のメッセージや捉え方を道徳的に良識を持って捉えて欲しいと願う作品です。
なかなか面白かった!サイコパスの恐怖が現れていました。
今まで海猿でいい役を演じていた伊藤英明が本作では猟奇的な殺人を演じているのが売りの本作。予告では大量殺人をしようとする映像が使われていたが、本編では前半にじっくり伊藤英明演じる教師ハスミンが明るく人気のある教師から、徐々に一人ずつ殺人を犯して狂っていく様を映しています。テンポが非常によく、前半の化けの皮が剥がれるまでが飽きずに見れました。一番気に入ったシーンは、女生徒を脅し性的関係を築いていた体育教師が、ハスミンにその女生徒のパンツを渡され、匂いを嗅ぎ「・・・みや?(女生徒の名前)」と言ってそのままハスミンに撃ち殺されるシーン。ある意味ギャグでした。最後は殺されたはずの女生徒が意識があり、サイコパスは受け継がれていくんではないか?という風に捉えましたがどうなんでしょう?とにかく飽きることなく楽しめました。
しばらく抜け出せない。。
おばけとかのホラー映画と違って、サイコパスという、もしかしたら私の身近にもいるんではないだろうか。。。といった設定が、さらに怖さを増しました。伊藤英明さんも、今までに無かった役柄を見事に演じきっていて、私個人は海猿の爽やかなイメージだったので、見事に覆してくれました笑。人を殺す事が快楽。という何とも恐ろしい人格ハスミン。普段はかっこ良く生徒思い。教師としての人気が高く、、というギャップが更に怖い。 私が見た中でとにかく目を塞ぎたくなった(半分塞いでた)シーンは、染谷将太さん演じる早水圭介が殺されてしまうシーン。とにかくもう見てられない!怖すぎる!そして、映画のラストで二階堂ふみさん演じる片桐怜花の目の色が変わった意味とは・・?続編があるのではないか?といった終わり方です。映画の中でかかる『三文オペラ』の主題歌「モリタート(殺人物語大道歌)」がとてつもなく怖い音楽に思え、夜思い出すだけでしば...この感想を読む