主演二人の眼力はいいだけに…残念
ならず者のチンピラ・カズさんと、彼に愛されたストリップダンサー・真知子。 ふたりが行き着いた場所は、ふたりにとって安住の地ではなかった…。 坊ちゃん育ちが抜けない怠け者の若いモン・カズさんを高良健吾がとてもよく演じている。悪い奴だけど、どこか憎めなくて、女には甘い。 どこまでも人生のハンパ者で、親に言い負かされて包丁を持ち出したりする、そういうダメ男ぶりが、甘いマスクにマッチしている。 鈴木杏はダンサー役を体当たりで熱演しているけれど、新宿でならした…というには、どうもちょっぴり迫力が足りない。眼力はとてもいいのだけれど、キューピーぽい体型でこの役柄は少々無理があるような…。 話は少々だらだら進む。もっと尺が短くてもいいんじゃないかな、と思った。 特に、タイトルの「軽蔑」が、話の中で置き去りにされてしまっている感じがある。 誰が誰を軽蔑しているのか? それが、原作小説では大事なテーマだったはず。 地方都市の閉塞感を描き出す努力がちょっと足りなかったと思うし、そこがテーマがぼやけた原因だと思う。 映画と原作では、結末も異なる。 ちょっとなしくずしに終わってしまったので、それも残念でした。
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