夢のあやつることへの憧れと恐怖 - インセプションの感想

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映画レビュー数 5,784件

夢のあやつることへの憧れと恐怖

4.54.5
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
5.0

この作品には、少し怖いけどあったら面白いなというアイデアが詰まっています。 他人の夢の中に侵入してその人の考えを盗んだり、思考を誘導すること、またその人の夢の内容を自由に設計することができるなど。 夢は階層構造をなしていて、より深い層になればなるほど時間の感覚がゆっくりになるという設定で、例えば現実世界で5分が、1層目の夢では1時間、2層目では12時間といった具合になっています。 浦島太郎の逆で、何十年もの間夢の世界で過ごしたと思っていても、現実に戻ってみると一日かそこいらだったというかんじです。 夢の世界では100%自分の好きなようにできるため、創造の父、いわば神様になったような感覚になることから、現実世界を捨てて一生夢の世界に生きていたいという欲求に駆られることのは容易に想像できます。 そして現実世界に戻ってきたときの絶望感も。 自分と妻の2人だけの理想の世界を作り上げたために妻を失うことになってしまった男が、この物語の主人公です。 物語は結末の直前から始まり、そこへ至るまでのいきさつが時間を巻き戻して展開されます。冒頭のシーンに徐々に近づいて霧が晴れていくような感覚が面白く、臨場感があります。

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モルという罪の意識

舞台は夢の中夢の中ではなんでもできる。ヒーローにもなれるし史上最悪の悪役にだってなれる。まさしく「夢のような」世界だ。そして夢の中では誰にだって会うことができる。最愛の人だったり、最高の友達だったり。もう2度と会えない人にだって会うことができる。潜在意識によって。コブの最愛の妻モルはインセプションが原因で自殺をしてしまう。帰る家も子供たちも失った彼は夢の中で再びモルに出会う。コブを悩ませ続ける夢の中のモルも彼女が愛しくてたまらなかった彼の潜在意識が作り出し、縛りつけられていたのかもしれない。夢の中のモルコブの行く先に現れては邪魔をしてくるモル。いつも夢の中に出てくるのはコブ自身が意識の中に彼女を縛りつけているからではないだろう。それは愛するモルを忘れられないのと罪悪感から。自分の実に単純なアイデアがモルを変えてしまい最悪な事態を招いてしまった。彼女への愛と自らを戒めのために罪の意識をモ...この感想を読む

5.05.0
  • くじらくんくじらくん
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4.04.0
  • 柚木かほ柚木かほ
  • 73view
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