ダンス・ダンス・ダンスの評価
ダンス・ダンス・ダンスについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ダンス・ダンス・ダンスの感想
ユミヨシさんに見る村上春樹作品唯一のヒロイン像
村上春樹長編作品のヒロイン像、ここに完成村上春樹小説の長編作品は主人公が男性で話が進むため、協力者、理解者、愛の対象としてのヒロインがすべての作品に登場する。しかし、村上氏特有の世界感があって「闇」「悪」「死」などが描かれ、暗い側(あるいは特殊な側)に存在するヒロインと現実社会側に普通の女性として生きるヒロインというダブルヒロイン体制で展開するケースが多い。わかりやすい例が「ノルウェイの森」の直子と緑だ。「闇」にとらわれた直子を愛し、守りたいと思うのだが、同時に通常社会に生きる緑にも惹かれていく。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」では太った娘と図書館の女の子、「国境の南、太陽の西」では島本さんと有紀子もそれに相当する。 ダンス・ダンス・ダンスでは特殊な力を持つユキと現実社会に生きるユミヨシさんという構図は他作品と同様にダブルヒロイン体制だが、ユミヨシさんにフォーカスすると、...この感想を読む