スワロウテイル 人工少女販売処の評価
スワロウテイル 人工少女販売処の感想
人工妖精は蝶の夢を見るか?
死ねば蝶になる人を模したモノたちの物語ハヤカワ文庫より刊行されている籘真千歳(とうまちとせ、籘が旧字なので注意)の小説、全4巻ある作品の第一巻である。ある病気の蔓延により、感染者は異性と触れ合うことができなくなった未来の日本。関東湾に浮かぶ人工浮島を男女二つに分け、男性側は女性型、女性側は男性型の「人工妖精<フィギュア>」と呼ばれる人造人間と共に生活する世界。人工妖精は微細機械と呼ばれる細菌レベルの小さな機械で構成され、微細機械は蝶の姿に集まり、人工浮島内を自由に飛び回っている。死んだ人工妖精の肉体も蝶となり、いずれまた新たな人工妖精の肉体に生まれ変わるのである。この幻想的な世界を美しく表現しているのが、籘真氏の丁寧な文章と竹岡美穂氏の透明感溢れるイラストだ。私自身、この本を手に取ったのは竹岡美穂氏のファンだったからである。結果的には、釣られてよかったと心から思っている。執刀は抹消抗体襲名...この感想を読む