寺ガールのあらすじ・作品解説
「寺ガール」は、りぼんマスコットコミックスから発売された全3巻、作者は水沢めぐみ。あらすじは、お寺で暮らす三姉妹の日常生活や恋愛を描いたハートフル少女漫画である。 登場人物は、長女である福山悟留は医学部に在籍し、お寺を継ぐことをためらっている。次女である福山光里は、仏教をこよなく愛する少し変わったところがある個性的な女の子。三女である福山拝美は、周りに実家がお寺であるということを知られたくなく、遠くの高校に通っているのである。三姉妹の他に登場する人物は、牧師の息子でありあだ名が極楽である転校生の大倉諒・お寺の次男であり幼馴染の次女の光里のことが好きな天という男の子がいる。ある日光里は天に告白されお寺を継ぐことになるのだが、光里は牧師の息子の大倉諒のことが気になっていた。同じ宗派の天と結ばれればお寺を愛している光里には良いことであるが教会を継ぐとお寺を継げないという悩みを持つ光里なのであった。
寺ガールの評価
寺ガールの感想
寺と恋愛の異色作
大御所が切り開く新境地少女漫画家は少年漫画家と比べ、漫画家生活が息長いように思える。激戦区の少年漫画界では、日々の打ち切りや時代の流れでありとあらゆる作家たちが現れては消え現れては消えていくが、少女漫画ではそういったことはあまり見られない。描き続けられる人が残っていく。そのように思える。水沢めぐみは少女漫画界のなかでも、かなり大御所の部類に入るだろう。2016年で53歳。16歳のときにデビューしているはずだから、漫画家生活30年を超える。筆者が子供のころは『姫ちゃんのリボン』がアニメ放送していたと記憶しているから、幅広い世代の女性たちの記憶に残っている作家といえるだろう。しかしそれだけ、少女漫画界の第一線で走り続けているというのは、あらためて考えても素晴らしいことだ。失礼ながら、年を重ねてから少女の気持ちに寄り添った漫画を描くということは決して簡単なことではない。だが『寺ガール』を読ん...この感想を読む