オレたちバブル入行組の感想一覧
池井戸 潤による小説「オレたちバブル入行組」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
話題の「半沢直樹」
最近めずらしくはまったドラマ!「半沢直樹」、日曜の夜が楽しみになっています。原作本も読んでみたくて手に取りました。原作とドラマは設定が違う所もあって、ドラマを見た後でも十分に楽しめますが、個人的にはドラマの方が痛快で惹き付けられます。原作では、人間模様が重点的に描かれていて、ドラマの方が半沢の活躍をクローズアップして魅せている感じ。花ちゃんとの関係がギスギスしていて、ドラマの上戸彩ちゃんの方がだいぶ好印象&半沢直樹もドライ&非道やくざっぽい。半沢直樹の理不尽さに立ち向かい、信念を貫いて戦い、勝利する姿はドラマも原作もかっこいい。「10倍返し!」堺さんの声が聞こえてきました(笑)すっきり爽快です。
ドラマ「半沢直樹」原作!
私は毎週、日曜日のドラマ「半沢直樹」をすごく楽しみにしています。ついに気になり、ついに原作にまで見てしまいました。このお話は、銀行員(バンカー)という普段ではあまり親しみのない人に焦点を当てた作品で、はじめは話が少し難しく感じましたが、読んでいるうちに主人公の戦いを応援し、展開にハラハラさせられてしまいます。大金が動くことや、人間のしがらみが描かれていて、普段の自分とはそこまで関係が深くないはずなのになぜか、親近感のような感情が沸く作品です。「上司の責任は部下の責任、部下の手柄は上司の手柄」、「10倍返し」という台詞はこの作品にあった決まり文句で出てくるたびに次はなんだろう、とこの言葉とはうらはらにワクワクしている自分がいます。小説とドラマは切り離して、ドラマも最後まで応援したいと思います。
期待しすぎた?
現在視聴率が好調の「半沢直樹」の原作本。ドラマがなかなか面白いので原作はどうかと思い読んでみた。率直な感想としては「・・・・・・ドラマはよくできている」である。つまり、原作は期待していたほど面白くない。このようなパターンはまぁ良くあることだが、やはり「原作とドラマ(映画)は別物だと思わなければならない」と痛感した。バンカーという職業に視点を当てた作品である。巨額の金を動かし、陰謀を暴いていくという設定自体は面白い。しかし、主人公の行動力と、その描写のバランスがイマイチである。行動に至る情熱や必死さがあっさりとしか伝わってこない。このように感じてしまうのはやはりドラマの影響か。
企業を舞台としたエンタメ小説かな?
ドラマ「半沢直樹」の原作本。バブル期に大手銀行に入行した半沢直樹。希望を胸に抱いていた入行時も今は昔、バブルは崩壊し、銀行は決して潰れないという神話も崩れ去って久しい。そんな中で半沢は融資課長を務めていた。ある時、支店長のゴリ押しで5億円を融資したばかりの会社が倒産してしまい、社長はどこかへ雲隠れ。さらに半沢の上司である支店長が、その責任を全部半沢に押し付けようとする。しかしここで半沢は泣き寝入りなどせず、5億円の回収に乗り出し、さらに復讐までやってのける。この展開で面白くないわけが無い。敢えてマイナス点を挙げるなら、理不尽な上司に「倍返し」というのは痛快ではあったけれど、少々やりすぎというか追い詰めすぎかな?という気がしないでもない。あと、5億を無担保で融資なんて真似を、いくら支店長のゴリ押しでもやれるものか?という疑問は残る。しかし元バンカーである作者ならではの、リアリティとフィクショ...この感想を読む